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[オピニオン]仮病

Posted November. 20, 2010 08:30,   

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子どもの頃、誰でも一度は仮病を使った思い出がある。したくないことや、手伝わなければならない時、宿題をしていないのに学校に行かなければならない時、突然、「おなかが痛い」、「頭が痛い」と言って仮病を使ったことは、月日が経った後、かすかな思い出となる。朝鮮時代には、ソンビが所信を守るために、官職を離れる時や地位を固辞する時によく使った言い訳が、仮病や、病気の両親の世話をしなければならないということだった。

◆最近は、不正疑惑で捜査や裁判を受ける企業家や政治家が、仮病を好んで使う。病気で通院していると裁判所に訴えれば、保釈を受けることもでき、執行猶予になるケースも多いためだろう。07年9月、英ファイナンシャル・タイムズが、「韓国の財閥総師らは、立場が悪くなると、車椅子に乗る」と報じたことがある。韓国では、とりわけ財閥の総師が車椅子に乗って裁判を受けることが多く、司法府が彼らに寛大な判決を下すことを皮肉った内容だった。実際、鄭夢九(チョン・モング)現代・起亜(ヒョンデ・キア)自動車グループ会長は06年、金升淵(キム・スンヨン)ハンファ・グループ会長は07年、裁判の時に患者衣の姿で車椅子に乗った。「仮病戦略」の効果があったのか、彼らは執行猶予で釈放された。

◆金宇中(キム・ウジュン)元大宇(デウ)グループ会長、鄭泰守(チョン・テス)元ハンボ会長、朴淵次(パク・ヨンチャ)元テグァン実業会長も、患者衣姿で車椅子に乗って法廷に現われた。朴元会長は、今年1月、控訴審で懲役2年6ヵ月の実刑を言い渡されたが、病気のため保釈された。現在、故郷で、テボルム(小正月、陰暦1月15日)のチュィブルノリ(火のついた箱をふりまわし、無病息災を願う慣わし)をするほど、自由に暮らしている。車椅子に乗った政治家では、朴智元(パク・チウォン)民主党院内代表を除くことはできない。朴院内代表は、04年、現代裏金事件裁判の時、乱れた白髪頭に、緑内障の手術を受けた目に眼帯をして、マスクを着け、点滴まで打ちながら「大変不憫な姿」を演出した。

◆請託の見返りに数十億ウォンを受け取った容疑で、被疑者の身分になったセジュンナモ旅行会長の千信一(チョン・シンイル)容疑者が、逃避中の日本で受けた健康診断の結果を検察に送った。医師の所見は、「入院または通院治療が必要」ということだが、検察は、千会長がすぐに帰国し、取調べを受けることは無理でないと判断している。千会長が、国内の病院では治療が不可能な珍しい病気にかかったのでないなら、直ちに帰国して取調べを受け、治療もするべきだ。千会長の場合、「海外逃避用の仮病」という疑念は避けがたい。

権順澤(クォン・スンテク)maypole@donga.com