ツイッターやフェイスブックのような、ソーシャルネットワークサービス(SNS)が人気を集め、SNSに参加する企業の最高経営者(CEO)も増えている。一企業を代表するCEOのSNSは、一般人のSNSを、一際上回る波及力を持っている。一般人に対しては企業に親しみを持たせることができ、組織員との打ち解けた話し合いの場として活用できるということもメリットだ。しかし、ご多聞に洩れず、CEOのSNS活動にも明暗が分かれている。CEOのSNS活用性向により、企業を笑わせたり、組織員を泣かせたりもする。
●CEOのツイッターは強力なPR手段
スター級CEOのツイッター利用者といえば、言うまでもなく、新世界(シンセゲ)の鄭溶鎭(チョン・ヨンジン)副会長や斗山(トゥサン)の朴容晩(バク・ヨンマン)会長が挙げられる。彼らはツイッターに、個人的な話や経営関連の話をオープンに掲載し、一般人に親しみを感じさせる。鄭副会長のツイッターは、新世界デパートやイーマートの顧客が掲載した、不満や褒め言葉に直ぐに反応し、「苦情窓口」と言われるほどだ。インターネットには「朴容晩語録」が出回るほど、若者層に人気の朴会長のツイッターは、求職者の間での斗山への親近感を増大させているという評価を受けている。
朴会長と鄭副会長は、韓国PR企業協会が、PR専門家400人を対象に調査を行い、30日に発表した「PR上手のオーナー経営者」の部門で、それぞれ1、2位についた。専門家らは2人のCEOはツイッターを通じ、企業のイメージアップに相当大きな影響を及ぼし、職員や大衆とのコミュニケーションを活発に行ったことで、高得点がついた。特に、専門経営者とは異なり、オーナー経営者の場合、大衆とオープンなコミュニケーションを行うことが、イメージ作りに大きな影響を及ぼすという評価が出ている。
現代(ヒョンデ)カードの丁太暎(チョン・テヨン)社長やドリームウィズの李燦振(イ・チャンジン)代表、KT個人顧客部門の表鉉明(ピョ・ヒョンミョン)社長なども、SNSを通じコミュニケーションを行う代表的なCEOといわれている。
●会社関連ニュースを知らせたがためにひどい目に
ある中堅企業のA部長は最近、昼食の際、何度も仲間外れにされたことがある。ツイッターに夢中のCEOが午前に、「今日は冷麺が食べたいな」とつぶやけば、目ざとい若い職員が、お勧めの冷麺屋について話を交わし、この過程で、CEOとツイッターをした職員だけの昼食が行われるためだ。A部長は、「CEOがツイッターを始めてから、幹部職員が疎外されることが時々ある」と愚痴をこぼした。
CEOのSNS活動のために、対外的な問題が生じたり、組織内部のストレスが増大したりもする。CEOがSNSでの人気を集めるため、会社関連のニュースを、SNSを通して広めたり、社内行事に外部者を突然招き入れるのが、最大の問題だ。
毎月、職員同士の親睦を固める目的で、昼食会合を行っているある中堅企業の場合、最近の会合に取引先の大手企業の関係者がいきなり出席し、互いに気まずさを感じたこともある。CEOに代わり、会合を主宰した役員が、SNSに会合計画を載せ、これに対しコメントをつけた人々を、いきなり会合の招いたためだ。
●SNSも「マイウェイ」追求型
崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長は、SNSの始まりとも言えるサイワールドで、空前のヒットとなったSKのトップらしく、「独自的なSNS」を使っている。SKは今年8月、グループポータル「トックトック」をオープンした。ここで社内ツイッターともいえる「チックトック(TikTok)」を運用しているが、崔会長もこれを通じ、役員や従業員に対しメッセージを送っている。チックトックは、閉鎖的な社内ネットワークではあるが、役員や従業員らが、相互にフォローしながらコミュニケーションを行うことができ、独特のモデルとして評価を受けている。
三星(サムスン)電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長や現代起亜(ヒョンデ・ギア)自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長、具本茂(ク・ボンム)LGグループ会長などは、SNSの前面には顔を出さない。系列会社のCEOらも、ほとんどSNSを使っていない。グループの存在感や規模を考慮する際、CEOが直接SNSをやるのは有効でないところか、かえって気まずいという判断によるものだ。
その代わり、グループレベルのSNSを通じ、CEOの近況を知らせている。三星は3月、李健熙会長の経営復帰のニュースを、グループ公式ツイッターを通じ、真っ先に知らせた。LGの関係者は、「大手企業はグループ別のSNSがよく整っており、CEOが直接SNSに出る必要性はより少ない」と話した。
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