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韓国軍応射の打撃効果に疑問の声、16発の着弾点確認できず 衛星写真公開

韓国軍応射の打撃効果に疑問の声、16発の着弾点確認できず 衛星写真公開

Posted December. 03, 2010 03:00,   

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北朝鮮の延坪(ヨンピョン)島砲撃に対抗し、韓国軍が撃ったK9自走砲80発の対応射撃が、北朝鮮軍に効果的なダメージを与えたかどうかについて、論議が起きている。ある程度、輪郭が明らかになったK9自走砲80発の着弾地点を巡り、与野党の見解が鋭く対立し、韓国軍の対応射撃を巡り、論議は続く見通しだ。

●北朝鮮茂島の海岸砲隊、被害発生

国家情報院は2日、国会情報委員会予算審査小委で、延坪島に海岸砲を発射した北朝鮮の茂島を撮った衛星写真を公開した。衛星写真は2種類で、韓国の人工衛星「アリラン」と商業用衛星が撮影したものだ。

国家情報院は、与党ハンナラ党所属の権寧世(クォン・ヨンセ)情報委員長にも、同じ衛星写真を報告した。権委員長によると、衛星写真の判読の結果、茂島には北朝鮮軍の兵舎が、2つのグループに分かれて布陣していた。

権委員長は同日、記者団に対し、韓国軍が、茂島に対応射撃したK9自走砲15発について、「衛星写真を見ると、兵舎付近に15発が着弾し、このうち約10発が、兵舎周辺の半径50メートル内に落ちた。K9自走砲の殺傷半径が50メートルなので、北朝鮮軍の人命被害は大きいことが推測できる」と明らかにした。さらに、「衛星写真を詳しく見ると、兵舎周辺半径10メートル内に2発が着弾した」と付け加えた。

しかし、同日午後、情報委予算小委で、衛星写真を見た民主党の朴映宣(パク・ヨンソン)議員は、記者団に、「茂島に15発着弾したのを確認した。しかし、兵舎周辺の半径50メートル内に落ちたのは3発で、残りは田のあぜなど、兵舎から遠く離れたところに着弾した」と説明した。北朝鮮軍の被害がかなり大きいという権委員長の見通しを、遠回しに批判したものと分析される。

●与党議員「35発は海に落ちた」

ハンナラ党の金武星(キム・ムソン)院内代表は同日午前、最高委員会議で、北朝鮮が放射砲を撃ったケモ里地域に、韓国軍が対応射撃したK9自走砲30発の着弾点を指摘した。

金院内代表は、「衛星写真で、14発が着弾した位置を確認したが、北朝鮮の砲に命中したのは一発もなく、14発すべて周辺の田や畑に落ちた」と話した。また、韓国軍の自走砲80発のうち、ケモ里地域と茂島に落ちた45発以外に、着弾点が確認されていなかった35発については、「海に落ちた」と付け加えた。

結局、現在まで、韓国軍の対応射撃で、北朝鮮に被害を与えたと推定されるのは、茂島の北朝鮮軍の兵舎だけだ。

ハンナラ党のある党幹部は、「茂島に砲弾が落ちても、大きな意味はなさそうだ。北朝鮮の挑発当時、出撃していた戦闘機F15Kで攻撃するのが唯一の対策だったが、チャンスを逃してしまった」と指摘した。当時、2機のF15Kは、最大射程278キロメートルの空対地ミサイル・AGM84H(SLAM−ER)を装着していたが、軍首脳部から攻撃命令を受けず、そのまま引き返した。

与党のある関係者は、「現在韓国は、北朝鮮が作った『恐怖の呪縛』に閉じ込められている。強い対応で、北朝鮮を威嚇しなければ、この呪縛から抜け出せない」と強調した。

●8月の通信傍受

元世勲(ウォン・セフン)国家情報院長は1日、国会情報委全体会議に出席し、ある議員が「今年8月に、(軍が)盗聴を通じ、西海(ソヘ・黄海)5島への大規模な攻撃を確認していたのか」と尋ねると、「そう分析していた」と答えた。

これに対し、一部のメディアが2日、元院長が「北朝鮮の西海5島の攻撃指示を、盗聴を通じて把握していた」と明らかにしたと報じると、合同参謀本部(合参)はこれを否定した。

合参は、「8月に、韓国軍の砲射撃演習計画に対し、北朝鮮側が海岸砲部隊に対応射撃を準備するよう指示したという情報を入手した」と明らかにした。8月に入手した情報が、韓国軍の演習に対する北朝鮮側の対応と関連していたので、西海5島の砲撃を意味するものではないと、合同参謀本部は説明している。



egija@donga.com dnsp@donga.com