延坪島(ヨンピョンド)に行き、魔法瓶砲弾を取り出して恥をさらしたにもかかわらず、今回は、「ルームサロン自然産」だ。与党ハンナラ党の安商守(アン・サンス)代表は、女性記者らとの昼食の席で、整形手術をしていない女性を「自然産」と表現し、「この頃はルームサロンに行けば、自然産を探すそうだ」と発言した。内容も公人として口にし難いだけでなく、時期的にも非常に不適切だ。北朝鮮の延坪島挑発による国家の危機的状況で、政府与党代表が女性を卑下するような表現をしている場合だろうか。安代表の認識と態度は実に情けない。
康容碩(カン・ヨンソク)議員が、女子大生セクハラ発言で窮地に立たされたのが5ヵ月前のことだ。兵役忌避論議に包まれた安代表は、わずか3週間前に、延坪島砲撃被害の現場で魔法瓶を取り出し「砲弾」と言い物議を醸した。恥ずべき失態を演じておきながら、失態と認識していないことが、さらに大きな問題だ。安代表は、この食事の席で、魔法瓶失言について、「初めは心配したが今は大丈夫だ。魔法瓶のためイメージが和らいだようだ」と言った。反省どころか楽しんでいるような態度だ。安代表は、与党をまとめ、国政を導く役割にも忠実ではない。ハンナラ党がこのような代表をずっと据えておくべきなのか、抜本的に省察する時だ。
22日、ハンナラ党最高重鎮連席会議で、一部の最高委員や議員の対北朝鮮政策に関する発言も、残念な内容だった。南景弼(ナム・ギョンピル)議員は、「太陽政策がかなりの成果があったことは否定し難い」とし、「構造的な平和体制を構築しよう」と主張した。鄭斗彦(チョン・ドゥオン)最高委員は、「緊張緩和の努力を怠ってはならない。強硬一辺倒の対北朝鮮ラインと外交ラインを再点検する必要がある」と加勢した。与党議員であっても、政府政策と異なる意見を述べることはできるが、北朝鮮の武力挑発で民間人まで犠牲に遭い、南北間の軍事的緊張が最高潮に達している時局を考えれば、慎重に欠けた発言だ。対北朝鮮外交ラインが強硬一辺倒という批判も、この時点で言うべきではない。与党議員が、責任意識や国家安保、国益よりも、次の選挙に熱心なことを端的に示している。
安代表は自ら進退を考え、党の次元でも、離れていく民心を捕まえる画期的な対策を講じなければならない時だ。ハンナラ党が、安代表のようなレベルの代表しか立てることができないなら、いっそ外部から代表を迎え入れることも良い方法だろう。