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「身代金で解決」の慣行破り、軍事作戦で事件解決

「身代金で解決」の慣行破り、軍事作戦で事件解決

Posted January. 22, 2011 10:18,   

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「政府が危険を冒してまで救出作戦を決定したことを巡り、議論が起きるだろうと予想した。しかし、ソマリア海賊に対し、断固かつ強い措置を取ってこそ、今後韓国船舶が拉致されることはないだろうと判断した」。

政府の関係者は21日、清海(チョンへ)部隊所属の崔瑩(チェヨン)艦がサムホジュエリー号救出作戦に踏み切ったことに対し、「海賊撲滅を任務に派遣された軍艦が、韓国船舶が拉致されたのに、何も手を打たないのは問題があると判断した」と明らかにした。昨年4月、サムホドリーム号が拉致された当時のように、作戦すらできず、海賊らに対し、史上最高額の身代金を払った「屈辱」を繰り返さないという政府の意志も反映された。

●「海賊らにやられっぱなしではいられない」

サムホジュエリー号の拉致後、政府の悩みは、軍事作戦を実施すれば、△人質や作戦要員の人命被害、△作戦地域周辺国の不安感、△船舶の破損による公害汚染の問題が発生しかねないということだった。しかし政府は、△これ以上韓国が高額の身代金を支払う国に認識されてはならず、△清海部隊を、無力感から抜け出させるべきであり、△作戦実施により、海賊に投げかける報復メッセージの効果のほうがより大きいだろうと判断した。

サムホジュエリーの拉致前に、韓国船舶は計7度もソマリア海賊によって拉致されたが、軍事作戦で解決したことは一度もない。一方、フランスは08年4月〜09年4月、ソマリア海賊によって自国船舶が4度拉致された時、全て軍事作戦を展開し、人質を救出した。その後、ソマリア海族らは、フランス国籍の船舶は拉致していないという。

軍の誇りを取り戻すべきだということも、軍事作戦を選んだ理由となった。サムホジュエリー号拉致事件への対策を議論する過程で、軍内部では、「昨年の哨戒艦天安(チョナン)艦沈没事件や北朝鮮からの延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発当時、消極的な対応をして批判を受けたが、海賊らに対してまで、引きずりまわされるわけにはいかない」という見方が多数だったという。

軍関係者は、「このような作戦は、失敗し、人命被害が発生すれば、国を挙げての批判の的になるので、作戦開始には大変慎重にならざるを得なかった」と言い、「作戦が失敗しても、国民が信じてくれる空気ができてこそ、軍は安心して作戦を行うことができる」と語った。

政府レベルでも、外交通商部(外交部)を中心に、救出作戦を支援した。外交部は事件発生直後、本部に「サムホジェリー号拉致対策本部」を、在ケニア大使館には「現場対策本部」をそれぞれ設置し、国土海洋部や国防部などの関連省庁と対策について協議した。

また19日、白宙鉉(ベク・ジュヒョン)在外韓国人領事局長やカン・ソクヒ在外国民保護課長など11人で速やかに対応チームを立ち上げ、オーマンに派遣した。彼らは、救出作戦の過程で負傷した将兵3人や船長が、オーマンで治療を受けることができるよう協力している。サムホジュエリー号に自国民が乗り込んでいたインドネシアやミヤンマーとも救出作戦について協議し、米国などの友好関係の国々に対しても協力を求めた。

●これまでは交渉で解決…失敗すれば殺害される

昨年10月、ソマリア海賊に拉致され、今も抑留されている漁船、クムミ305号を除き、残りの6度のソマリア海賊による拉致事例は全て、身代金を払って解決された。

昨年4月、サムホドリーム号がソマリア海賊によって拉致されると、政府は直ちに清海部隊所属の忠武公李舜臣(チュンムゴン・イスンシン)艦を派遣したが、海賊らから人質を殺すと脅され、撤退を余儀なくされた。結局、サムホドリーム号と乗組員らは950万ドル(約107億ウォン)の身代金を払って、216日ぶりに解放された。

最初のソマリア海賊による拉致事例である遠洋漁船、東遠(トンウォン)号(韓国人8人)は、06年4月に拉致されたが、同年7月、解放された。当時外国メディアは、東遠号を拉致した武装グループの指導者は、「乗組員らの身代金として80万ドル以上を受け取った」と明らかにしたと報じた。

07年5月、遠洋漁船、「マブノ第1、2号」(韓国人4人)が拉致された時は、船主やソマリア海賊が交渉を行い、約100万ドルで乗組員を解放することに合意したという。07年10月に拉致されたゴールドンノリ号(韓国人2人)や09年9月に拉致されたブライトルビ号(韓国人8人)、08年11月に拉致されたケムスタビーナス号(韓国人5人)も、全て身代金を支払って解放された。



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