李明博(イ・ミョンバク)大統領は23日、与党・内閣・大統領府の首脳部会合で、「改憲の議論は国家百年の大計の次元で考えなければならない」とし、権力構造や気候変動、女性、南北関係、司法府関連の条項を21世紀の時代精神に合わせ、広範囲に検討することを提案した。昨年の光復節の祝辞以来、李大統領の改憲関連発言が出たのは初めて。李大統領は、「政府や大統領府ではなく、国会で議論し、今年中に終わらせなければならない」と強調し、旧正月の連休後、8〜10日に予定されているハンナラ党の改憲議員総会で、国会開会をめぐる攻防が熱くなるものとみられる。
改憲の手続きと頻度は国ごとに事情が異なる。第2次世界大戦で敗れた日本が、46年11月に公布した平和憲法は、日本の戦力保有禁止と国家交戦権の不認定を主な内容としているが、これまで1度も改正されていない。一方、フランス第5共和国憲法は、58年に制定された以降、これまで24回も手が加えられた。
李大統領が改憲の必要性を言及したことに対しては、一定部分同感する。盧泰愚(ノ・テウ)元大統領と3金氏(金泳三、金大中、金鍾泌)の合意で、87年に改正された憲法は、民主化への欲求を明らかにしたが、24年が過ぎた今では、韓国社会の変化に取り残されている部分が多いのが事実だ。5年単任の大統領制や選挙時期の不一致による国力の消耗は、絶えず議論になっている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が07年に(大統領4年再任制)ワンポイント改憲を取り上げた時、ハンナラ党を含む6政党の代表は、「第18代国会(08〜12年)で改憲問題を終える」と約束した。ただ、ワンポイント改憲ですら成功しなかったのに、李大統領が提案したマルチポイント改憲が任期末に可能なのか、正直に言って疑問だ。
韓国は、硬性憲法を採択しており、改憲による手続きが難しく、与野党が合意しても、その条件をすべて充足させることは容易ではない。与党の主流陣営は、「水面下の改憲議論が進んでいるため、時間はかからないだろう」と述べたが、これまで改憲議論が国民の共感の中で進められたと見ることはできない。東亜(トンア)日報の新年の世論調査によると、国民は李大統領の政権4年目の今年、最も力点を置かなければならない分野を、対北朝鮮関係(30.2%)、経済成長(25.7%)、貧富の格差の解消(14.9%)の順に選んだが、改憲分野は見当たらない。
歴代の大統領が任期序盤でなく、後半に改憲議論を取り上げたため、改憲推進の動力がなく、意図の純粋性が疑問視された。野党民主党は、「李大統領の改憲カードは、朴槿恵(パク・グンヘ)元代表を牽制しようとするものだ」と与党内の隙間を広げようとしている。大統領任期末の改憲議論には、慎重なアプローチが必要だ。