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[社説]アラブ圏に広がる民主化の風、韓国の対応を堅固に

[社説]アラブ圏に広がる民主化の風、韓国の対応を堅固に

Posted January. 31, 2011 09:11,   

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23年間の長期独裁を終息させたチュニジアのジャスミン革命の火が隣国のエジプトに広がった。30年間、長期政権を維持するエジプトのムバラク大統領は、危機を乗り切るために副大統領を新たに任命して首相を交代したが、政権退陣の声は弱まらない。イエメンやアルジェリア、ヨルダンでも反政府デモが始まった。89年の東欧の民主化ドミノがアラブ圏で再燃されているようなムードだ。

1人の権力者による長期政権は、世論を抑圧し、人権を蹂躙する強権統治によってのみ可能だ。ムバラク大統領も、国民の声に耳をふさいで反対勢力を力で押さえ込み、権力を維持した。彼は、9月の大統領選挙で6回目の当選に挑戦したり、次男に権力を委譲する準備をし、国民世論の逆風を受けた。時を待っていたエジプト国民は、チュニジア革命を追い風に、街に飛び出した。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が、独裁に対する抵抗を触発させ、デモ隊を集めたのも同じ形だ。エジプト政府は、ツイッターやフェイスブックを遮断し、インターネットサービスまで中断したが、国民の怒りの拡散は防げない。

ムバラク大統領が、数十年間積もり積もった民主化への熱望を静めることは難しいだろう。地球上で自由民主主義と対決できる体制は残っていない。自由民主主義は、君主制、貴族政治、神権政治、ファシズム、共産主義といった名の全体主義を打破し、全世界で最も合理的な政治体制として受け入れられた。このような流れから例外だったアラブ世界でも、民主化の風が吹いているのだ。米国を含む欧米国家は、アラブ世界の盟主であるエジプトの立場を考えて、これまでムバラク大統領を支持した。米国は、毎年13億ドルの軍事支援と20億ドルの経済援助を提供している。しかし、エジプト国民の抵抗が激しくなると、米国にも変化が生じている。オバマ大統領は、ムバラク大統領に政治改革を求めた。米紙ワシントンポストは、「エジプトの平和的政権交代を準備しなければならない」と論評した。国際社会が、ムバラク大統領に武力使用の自制を求め、国民の民主化要求を受け入れるよう勧告する必要がある。

アラブ圏の混乱は、韓国経済と国民の安全にも脅威になる。すでに3月渡し分のウェースト・テキサス・インターミディエイト(WTI)が1バレル=4.3%も急騰した。エジプト事態が悪化し、中東と北アフリカの長期政権国家に広がれば、衝撃は一層大きくなる。政府は、エジプト観光も当分自制させて、同胞の安全、現地進出企業の保護、原油需給に隙のないようにしなければならない。