「投票に参加し、亡国的ポピュリズムを防ぎたいが、どこでできるのか、手続きを教えてください」。ソウル市教育庁の全面無償給食に反対する住民投票に対し、あるソウル市民がインターネットに書いた。ソウル市や区庁ホームページには、関連情報がない。呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は、「私に尋ねても答えることはできない」と述べた。住民投票法第11条は、「公務員(その地方議会の議員は除く)は、署名要請活動に関与できない」と規定している。万一、呉市長が「○○でやればいい」と知らせた場合、選挙法違反になり得る。
◆ソウルに関する質問に答えるタサンコールセンター120に電話をすれば、「関連市民団体で署名を受けている」という情報を得ることができる。しかし、電話番号と共に教えられた「国民運動本部」をネイバーで検索すると、トップに出てくるのは、「学校給食法改正国民運動本部」だ。ここでは、「環境にやさしい無償給食国民署名」という正反対の運動を行われている。タサンコールセンターが教えた電話番号(02-747-0191)にかけると、「来週、ホームページを開設する。会員登録をすれば、こちらから訪問し、署名をお願いする予定だ」という返事を聞くことができる。この民間機構が、「福祉ポピュリズム追放国民運動本部」だ。
◆無償給食反対署名をするのに、このように複雑な段階を経なければならないにも関わらず、国民運動本部は31日、「2月8日に署名運動の着手以降、今日までに12万4500人が署名に参加した」と中間集計結果を発表した。市民から署名を受けられる署名要請権委任者も3万人を超えた。国民運動本部側は、8月初めまでに、住民投票の実施に必要な41万8000人(ソウル市有権者の5%)の署名を無難に得られると考えている。
◆全面無償給食導入を主導してきたソウル市議会の民主党議員らは最近、住民投票運動に対し、「市議会が決めた事案に対しては、住民投票できない」という改正条例案を発議した。草の根民主主義を実現するという地方議会が、住民投票という市民の正当な権利を主張できないことは呆れたことだ。ソウル市議会議員らは、金持ちの子どもに税金で無償給食を与える代りに、本当に庶民の子どもためにすべき事が何か考えなければならない。
金順徳(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com