68年前、李承晩(イ・スンマン)元大統領が独立の思いを込めて米ワシントンのアメリカン大学に植えた桜が韓国産であることが証明され、25日(現地時間)、ワシントンに「韓国庭園」が正式に開場される。アメリカン大学のキャンパスに造成されたこの庭園は、李元大統領が植えた桜と同じ品種の済州(チェジュ)産のソメイヨシノなど、韓国から渡った34種約200本の木と植物が植えられる。
18日、アメリカン大学と駐米韓国大使館によると、25日、アメリカン大学のコーネリアス・ケルウィン総長や韓悳洙(ハン・ドクス)駐米大使、具吉本(ク・ギルボン)韓国国立山林科学院長、学生や教職員が参加し、国際関係学部(SIS)建物の隣に造成された「韓国庭園」の開場記念式が行われる。
アメリカン大学が韓国庭園の造成を決めたのは、李承晩元大統領が1943年4月8日にここに植えた済州産のソメイヨシノのためだ。当時、米国に亡命中だった李元大統領は、韓国で宣教師生活をしたポール・ダグラス・アメリカン大学総長(当時)と共に、韓国の独立を望む人々の思いを込めて、国際関係学部の建物の隣に4株の桜を植えた。このうち1株は数年前に枯れ、現在3株残っている。
アメリカン大学は97年、庭園を造成することを決め、基金調達のために米国内の韓国同胞団体や駐米韓国大使館に支援を求めたが、通貨危機で韓国経済が低迷し、叶わなかった。その後うやむやになっていた韓国庭園プロジェクトは、韓国園芸に関心があったルイス・グッドマン国際関係学部長が乗り出し、弾みがついた。グッドマン学長は、「『李承晩桜』を中心に、環境に優しい韓国式庭園を造成すれば、桜はすべて日本産という米国人の誤った認識を正すことができるだろう」と学校関係者や韓国同胞に支援を呼びかけた。
この知らせは、08年、米農林省の植物科学研究所の研究員として勤めていた在米韓国人植物学者で桜の専門家のチョン・ウンジュ博士にも伝わった。その後、チョン博士が、グッドマン学長を支援し、プロジェクトは急流に乗った。特に、チョン博士らの努力で、「李承晩桜」が韓国産であることが確認され、決定的な推進力となった。
チョン博士は、「李元大統領が植えた桜が韓国産という話を聞いた。事実確認のため、DNA分析をしてみると、済州産のソメイヨシノだった。国立山林科学院済州分院にサンプルを送って確認した結果、同じ結果が出た」と説明した。
グッドマン学長は、このような科学的な根拠によって、一層自信を持って韓国庭園の造成を推進できることになった。グッドマン学長とチョン博士は、「李承晩桜」の原産地を確認するために、昨年4月、直接済州島を訪れた。この時、国立山林科学院ナンデ山林研究所は、アメリカン大学の桜から採取した芽を組み合わせて育てた苗木9株と漢拏山(ハンラサン)に自生する桜の3年生接木苗20株をグッドマン院長に寄贈した。
済州島でトルハルバン(石像)とチョンナンを見て魅力を感じたグッドマン学長は、韓国庭園にこれらを設置することを決めた。昨年10月、グッドマン学長に韓国庭園の造成の支援を求められた韓悳洙大使とワシントンの韓国文化院は、済州自治道と接触して、トルハルバン2組とチョンナン3組を共同で支援することを決めた。グッドマン学長は、米国人は笑顔を好むので、トルハルバンを笑っている印象で造るように言った。南真洙(ナム・ジンス)ワシントン韓国文化院長は「済州自治道が高さ1.5メートルの1組のトルハルバンを、ワシントンの韓国文化院が1メートルの1組のトルハルバンを寄贈した」と伝えた。
駐米大使館と済州自治道は、韓国庭園に植える韓国産の木と植物43種約200本を寄贈した。これらの木と植物は3月末に米国に到着したが、米国内の検疫期間が1、2年ほどかかり、検疫が終わる13年頃、韓国庭園に植えられる予定だ。
このため、25日の記念式では、ケルウィン総長と韓大使、具吉本国立山林科学院長らが、韓国を象徴するムクゲやチョウセンマツなどを植樹する予定だ。韓大使は、「韓国から木と植物を持ってきて造成する米国内の初の韓国庭園だ。韓国庭園は、韓国と米国の厚い友情の印になるだろう」と述べた。
桜は、全世界的に約200種があり、国内に約20種が自生するとされる。済州島が原産地のソメイヨシノは、花が優雅で形が美しく、公園樹や街路樹として人気が高い。世界的に有名なワシントンのポトマック川の辺の華やかな桜も、大半が済州産のソメイヨシノだとチョン博士は説明する。ポトマック川の辺には、現在約3800本のソメイヨシノが植えられていて、毎年3月28日から4月12日まで花祭りが開かれている。アメリカン大学は、1893年に設立された私立大学で、国際関係学部は、学部生と大学院生約3000人が通う米国で最も規模が大きい国際関係専門の学部だ。
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