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釜山貯蓄銀行の破綻、「金監院」を巡るミステリー

釜山貯蓄銀行の破綻、「金監院」を巡るミステリー

Posted May. 04, 2011 06:49,   

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釜山(ブサン)貯蓄銀行グループが01年から10年間、史上最大の金融犯罪を犯したにも関わらず、見逃した金融監督院(金監院)のずさんな監督を巡り、「職務遺棄」の責任を強く問うべきだという声が高まっている。金融市場安定の最後の砦の役割をないがしろにしたことで、結果的に3万人以上の釜山貯蓄銀行グループの顧客らに対し、計2882億ウォンの損失をこうむらせるなど、金融当局の存在意味を失ったという批判が殺到している。

金融圏の高官は、「ある面では、『外貨の蔵』を守りきれず、通貨危機を招いた通貨当局に匹敵するほどの重大の職務遺棄だ」とし、「うやむやに済ませれば、第2、第3の釜山貯蓄銀行グループ事態が起こりかねず、しっかりと責任を問うべきだ」と指摘した。

検察は追加捜査で、金融当局の「不良監督」責任者らを捜査することを明らかにした。

●監督当局の「10年間の見て見ぬ振り」、事態はさらに深刻化

釜山貯蓄銀行グループの母体である釜山相互信用金庫が、急成長後、没落の背景には、金監院の「ずさんな検査」が影響したという見方が多い。釜山貯蓄銀行グループはすでに01年から、相互貯蓄銀行法に反し、直接不動産開発事業に乗り出したが、金監院はこれを摘発できなかった。金監院が1999年1月に発足したことを考慮すれば、事実上、10年間「ずさんな監督」が釜山貯蓄銀行グループ破綻の背景となったのだ。これまで、監督当局長を務めたり、釜山貯蓄銀行グループの検査ラインにいた当事者は、誰一人として、今回の事態から自由ではいられないという指摘が出ている理由だ。

特に、陳棟洙(チン・ドンス)金融委員長や金鍾昶(キム・ジョンチャン)金監院長が、貯蓄銀行の構造調整に積極的に取り組まなかったことで、貯蓄銀行の不良化事態は、さらに深刻になったという批判が多い。政府内からも、「2人のトップは、グローバル危機後、スペインが不良化を隠ぺいした複数の貯蓄銀行のため、財政危機に陥ったことを目にし、怯えたあまり、消極的な姿勢を通した」という主張が出るほどだ。

金融当局長がこのような姿勢を取ったため、検査権という「メス」も無用の長物となった。釜山貯蓄銀行の例から見ても、金監院は数度にわたり、検査を行ったにも関わらず、大株主の不法を見抜くことができなかった。民主党の朴仙淑(バク・ソンスク)議員室によると、金監院は09〜10年、釜山貯蓄銀行に対し、事前検査や部門検査、監査院の要請を受けた預金保険公社との共同検査など、計8回の検査を行った。

10年の1年間だけでも、検査期間が138日に上る。しかし、08年8月から10年6月にかけて、釜山貯蓄銀行は、計1兆3105億ウォン(グループ全体では2兆4533億ウォン)を粉飾会計で処理した。金監院による検査が行われた間も、粉飾会計が行われたことになる。監査院の要請を受け、行われた共同検査では、大株主の不正や不動産プロジェクトファイナンス(PF)融資事業所への調査が行われたにも関わらず、不法行為は摘発できなかった。

朴議員側は、「監査院までが介入し、長期間検査を行ったにも関わらず、大株主の不正事実や粉飾会計、不良規模すら把握できなかったことは納得できない」とし、「金融当局は調査のずさんさを明らかにし、隠ぺいした事実があれば、明らかにすべきだ」と主張した。



cha@donga.com tnf@donga.com