15年前、ロシアのウラジオストクで不審者の襲撃を受けて死亡したチェ・トククン領事殺害事件に対して、政府が最近、ロシアに再捜査と公訴時効の延長を要請した。これにより、ロシアの捜査当局が再び同事件の再捜査に入った。
チェ領事は、駐ウラジオストク総領事館に勤務していた96年10月、自宅マンションの階段で殺害された。チェ領事は、頭後部を鈍器で殴られたのか頭蓋骨が損傷していた。体内から、北朝鮮工作員が主に万年筆の毒針に使う毒物が検出された。目撃者の証言によると、マンション内に怪しい男2、3人がチェ領事の帰宅を待っていたという。チェ領事は当時、北朝鮮の偽ドル札と麻薬密売を追跡していた。
真相究明を求める国内外の声が高まり、エリツィン大統領(当時)が徹底した捜査を指示した。しかし、ロシアは公言とは違い、同事件を単なる強盗事件として終結を図ろうとしているという批判を受けた。また犯人は逮捕されず、未解決の状態だ。来月には同事件の公訴時効(15年)が成立する。
政府当局者は26日、「7月に外交ルートを通じてロシア捜査当局に同事件を問い合わせ、その後、公訴時効の延長を要請し、同事件への関心を促した」とし、「ロシア側に事件の証拠や解剖記録などが残っており、これをもとに事件を再捜査しているという返事を受けた」と明らかにした。
別の当局者は、「科学捜査の発達で、数十年が経過した事件の真相が明らかになったりもする。15年が経過したからといって、真相究明の可能性がなくなったわけではない」と強調した。
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