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[社説]再・補欠選の公約競争、後遺症が思いやられる

[社説]再・補欠選の公約競争、後遺症が思いやられる

Posted October. 11, 2011 08:23,   

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10・26ソウル市長補欠選挙に出馬する与党ハンナラ党の羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)候補は、「市長に当選すれば、14年までにソウル市、および市の投資機関の負債を4兆ウォン以上削減する」という公約を明らかにした。無所属の朴元淳(パク・ウォンスン)候補は、「市長任期中、負債7兆ウォン削減」を約束した。両候補が負債削減を公約に掲げたことはひとまず評価に値するが、どれほど現実性がある公約なのか、ほかの公約との整合性はどうなのかを確かめなければならない。

東亜(トンア)日報が10日、ソウル市に確認した結果、ソウル市と投資機関の「純債務」は、ソウル市3兆8177億ウォン、投資機関15兆7928億ウォンの計19兆6105億ウォンだった。ここに、通常の意味の負債と見るのは難しいソウル市都市開発公社の賃貸保証金や分譲契約金なども含む「広義の負債」は、25兆5364億ウォン(ソウル市4兆9795億ウォン、投資機関20兆5569億ウォン)にのぼる。

今回の補欠選挙で当選する新ソウル市長の任期は14年6月末までの約2年8ヵ月だ。両候補が赤字削減の公約を守るには、少なくとも羅候補は年間1兆ウォン、朴候補は2兆ウォン以上のソウル市の負債を減らさなければならない。国家と地方自治体が負債を減らすには、税収などの収入を増やしたり、支出を減らすこと以外に方法はない。

羅候補は、任期中に公共賃貸住宅5万戸、朴候補は8万戸の建設を公約した。両候補は、「最低生活基準ライン」(羅候補)や「市民生活最低ライン」(朴候補)を作ることも約束した。事実上の「税金給食」である「無償給食」に対しては見解は異なる。朴候補は、14年までにソウルのすべての小・中学校の生徒への「全面無償給食」を公約したが、羅候補は、所得水準を考慮した段階的な個別型対応を掲げた。このような公約をすべて守った場合、ソウル市の支出は減るどころかむしろ増える可能性が高い。

負債削減案について、羅候補は、事業の構造調整とイベント性事業の縮小、推進事業の時期調整を、朴候補は、展示性土建事業の縮小とソウル市の財産賃貸収入の拡大を提示した。ある程度負債を減らすことはできるだろうが、両候補が主張するだけの赤字削減の効果があるのか疑わしい。既存の事業や新規事業の廃止・縮小が、ソウル市の経済に悪影響を及ぼす可能性も見過ごすことはできない。「財政赤字削減」と「福祉支出拡大」の並行は、レトリックとしてはもっともらしいが、現実にはそう簡単ではない。このまま進めば、ソウル市長補欠選挙をめぐる公約競争の後遺症は火を見るよりも明らかだ。