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自動車部品業界、FTA遅延に募る苛立ち

自動車部品業界、FTA遅延に募る苛立ち

Posted November. 04, 2011 06:54,   

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「それほど望んでいた米国進出に死活をかけているのに、国会で先送りされるばかりで、本当に苦しいです」

中小の自動車用電子装備部品専門メーカーのA社は最近、韓米自由貿易協定(FTA)批准同意案の国会通過に神経を尖らせている。今年初め、A社は米国の完成車メーカーのB社から「新しく発売される新車にA社の部品を使いたい」という提案を受けた。B社は、「韓米FTAが発効されると同時に契約を結ぼう」と言った。これに向け、A社は既に輸出に必要な設備装備まで終えたが、不安な状況だ。A社の関係者は、「新車発売の期限に合わせるためには、時間があまりない」とし、「B社がこの先どれほど待ってくれるか分からない」と懸念した。

●気を揉む部品業界

最近、自動車部品業界の目は専ら国会に注がれている。国会でFTA批准案が一日でも早く通過することを待っている。これは中小企業だけの状況ではない。国内1位の自動車部品メーカーの現代(ヒョンデ)モビスは、来年度の経営計画の樹立に差し支えが生じた。現代モビスの関係者は、「世界的な景気減速の上、韓米FTAまで遅延されて、経営環境の不確実性が高まった。2.5%の関税が付くか付かないかで、売上や生産物量などが変わるため、状況を見極めている」と話した。

自動車部品は韓米FTAの恩恵を受ける代表的な業種に挙げられる。実際、KOTRAが選定した「韓米FTA中小企業10大輸出有望商品」にブレーキパッド、冷間鍛造部品、ボルト・ナットの自動車部品3種が含まれた。しかし、国会のFTA批准が難航していることから、自動車部品業界の期待は不安になっている。

韓国自動車工業協会は、「FTA批准が遅れていることから、新規契約が見送られるのも問題だ」とし、「ここにFTAを控えて、設備投資などを既に行った会社は資金圧迫も厳しい」と説明した。また、FTA関税特典を受けるために必須の「原産地証明システム」の場合、メーカーの生産規模次第で数千万〜数億ウォンがかかるが、中小企業としては大規模な金額を投資したわけで、回収に躍起になるしかない。

●世界部品市場を拡大できる機会

自動車部品業界は関税撤廃によって、対米輸出を300億ドル線まで拡大できると見ている。昨年、韓国の対米自動車部品輸出額は190億ドルで、今年はその規模が230億ドルに達する見通しだ。

実際、ピストン、シャフトのような冷間鍛造部品は、米国内輸入市場規模が181億5000万ドルに達するが、韓国の市場シェアは8%に過ぎない。協会の関係者は、「品質の優れた韓国商品が価格競争力まで備えるようになると、10%を突破するのも難しくない」とし、「米国で生産された新車に部品を納品したら、持続的に修理用部品も販売できるというメリットがある」と話した。また、海外販路の開拓を通じて、国内完成車メーカーへの依存度を減らせるという点も中小企業には大きな利点だ。

国民大学経営学科のユ・ジス教授は、「韓米FTAが発効したら、米国メーカーから更なる受注を受けるようになった部品メーカーが、関税特典を狙って、国内の製造基盤を積極的に拡大する」とし、「自然に雇用や地域経済の活性化など、莫大な経済的効果が収められるので、批准が急がれる」と話した。



gene@donga.com alwaysj@donga.com