歴代最大規模のプロ野球自由契約選手(FA)市場が開かれた。韓国野球委員会(KBO)は、李大浩(イ・デホ=ロッテ)、鄭大鍱(チョン・デヒョン=SK)、李宅根(イ・テクグン=LG)ら、FA権利行使を申し込んだ17人のリストを9日発表した。これは従来最多だった05年の14人より3人多い数だ。
●10億年俸の選手が誕生するか
最大の関心事は巨砲、李大浩の去就だ。所属チームのロッテは歴代最高待遇を約束し、「理屈無しで残留させる」という意思を示している。従来の最高額のFA選手は沈正洙(シム・ジョンス)で現代(ヒョンデ)から三星(サムスン)へ移籍する際、オプションを含め4年間最大60億ウォンで契約した。ロッテの論理どおりなら、李大浩が手にする金は60億ウォン+αだ。
ここに変数がある。オリックスが李大浩に2年間5億円(約72億ウォン)を提示したという報道が既に日本で出された。日本野球機構(NPB)は9日、KBOに李大浩に対する身分照会を要請した。球団は明らかにされていないが、李大浩の迎え入れを推進してきたオリックスが有力だ。
日本生活を終えて復帰した李承鎏(イ・スンヨプ=元オリックス)と金泰均(キム・テギュン=元日本ロッテ)の契約も影響を与えられる。金泰均の元所属チームの韓化(ハンファ)は既に金泰均に「最高待遇」を約束した。李承鎏の復帰が有力な三星も国民打者に似合う待遇を考えざるを得ない。この「ビック3」の年俸争いで史上初めて、年俸10億ウォン台の選手が登場する可能性もある。
●中継ぎ争奪戦
李大浩の陰に隠れているが、今年FA申請選手の中では、即時戦力に使える選手が多数含まれている。特に、鄭大鍱、李承浩(イ・スンホ、20番=以上SK)、鄭載勳(チョン・ジェフン=斗山)、ソン・シンヨンとイ・サンヨル(以上LG)など、ブルペン投手はどのチームもほしがっている。今年韓国シリーズに進出した三星とSKのケースから分かるように、ブルペンはもう韓国プロ野球の中核的な補強ポイントだ。鄭大鍱は国内球団だけでなく、米国や日本でも関心を寄せている。
攻撃、守備、走塁を兼備して内野手だけでなく、外野手としてもプレーできる李宅根も若い年齢(31)と現在の技量からすると、他球団の関心を引いて当然だ。大多数の選手は、「同じ条件だったら、現在のチームに居残りたい」と話す。言い換えれば、いつでもさらに良い待遇が受けられるチームへ行けると解釈できる。
●FA豊年の理由は?
今年は大卒FA年限が従来の9年から8年へ短縮された。李宅根や鄭載勳らが新制度の特典を得たケースだ。FA補償規定も以前に比べ緩和された。従来は当該選手の年俸の最大450%を前の所属球団に補償しなければならなかったが、今は300%が最大だ。その代わり、保護選手の範囲は従来の18人から20人へと増えた。
22日開かれる「第2ドラフト」も原因だ。一つの球団があまりにも多い2軍有望株を保有するのを防ぐため、隔年制で実施される第2ドラフトはそれぞれの球団が予め提出した40人ロースターに含まれていない選手がドラフト対象だ。FA申請選手は40人ロースターで除外され、これを受け、それぞれの球団は保護選手定員の40人を最大限確保するため、残留が確実視される選手を相手にFAを申請するように勧める可能性が高い。
FA申請選手は10日から19日まで10日間、元の所属球団と契約できる。交渉が決裂したら、20日から12月9日までの20日間、残りの球団と契約でき、これさえ無為に終われば、12月10日から来年1月15日まで全ての球団との交渉が可能だ。
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