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[オピニオン]世代間の不通

Posted December. 06, 2011 07:45,   

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地下鉄の中には妊婦が本を数十冊持っている写真と共に、妊婦への配慮を訴える公益広告が貼られている。ソウル地下鉄9号線の老弱者席(日本の優先席に当たる)で「隣へ席を移してほしい」と言ったお年寄りに悪口をした30代妊婦の動画が公開され物議をかもしている。妊婦への配慮が足りない社会の現実に共感を示す見解もあるが、お年寄りに指を差して、父親の職業まで取り上げながら威張っていた態度を批判する声もある。

◆昨年10月には地下鉄で10代の女子学生が70代のお婆さんにため口を利き、もみ合いをする動画が公開された。女子学生が脚を組んでいたため泥がついたお婆さんがその女子学生を叱ったら、女子学生は「私に何をしろって言うのよ、あんた」と叫んだ。お婆さんが「私は38年生まれだよ」と言って、女子学生の体を強く押し、髪を引っ張り出した。昨年12月には、20代の女性が隣のお婆さんに、「私もう降りるから、降りたら座って」「私今気持ち悪いから、私に話しかけるなよ」と俗っぽい言葉で話す動画が出た。

◆地下鉄の風景はわが社会の縮小図だ。前は地下鉄内での性的嫌がらせが社会的イシューになっていたが、今は世代間の葛藤を反映するかのように、高齢者と青年世代の席争いがクローズアップされている。携帯電話で当時の状況を撮影してネットにアップする頻度が多くなり、前より席争いが多くなったかのように見えるのかもしれない。しかし、若い世代は地下鉄の老弱者席にうっかりと座っていたところ、年寄りに怒鳴り付けられた経験がたまにあるだろう。地下鉄という公的空間でも高齢者は「長幼有序」という倫理が守られることを期待する半面、欧米式の個人主義に慣れている若い世代は気にしない場合もある。

◆欧米社会では地下鉄とバスに老弱者席が別に設けられている韓国を興味深く思う。米国と欧州の地下鉄とバスの中では、男子の老人が若い女性に席を譲る場合はあっても、男子の老人に席を譲る若者はあまり見かけられない。席を譲ってもらう老人は自分がもう「役立たず」扱いされたように不快に受け入れる社会雰囲気も存在する。地下鉄の中の格好悪い席争いが「世代間の不通」を見せているようで悲しい。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com