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[オピニオン]揺れるカースト制度

Posted December. 23, 2011 07:19,   

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インド社会の特有な身分制度であるカーストの起源をめぐって様々な学説がある。紀元前1300年ごろ、アーリア人がインドに侵入して先住民のドラヴィダ人とムンダ人を征服して生まれたという説が有力だ。時間が流れ、支配階級は司祭であるバラモンと貴族・武士のクシャトリヤに、被支配階級はバイシャ(農民・商人)とシュードラ(奴隷・手工業者)に分化した。この4つの身分のほかに、ハリジャンやダリットと呼ばれる不可触民がピラミッド式の身分構造の最下層を占める。

◆伝統的なカースト観によると、高い身分に属する人は低い身分の人のそばに近寄るだけでけがれると認識される。階級が異なる男女の結婚は禁止され、職業は世襲された。カーストは、インド社会の安全性を高める効果はあったが、愛国心や愛郷心の育成を遮り、社会を停滞させる否定的な影響がはるかに大きかった。インドは47年に英国から独立した後、法律上では差別的身分制を撤廃したが、社会慣習に深く根を下ろした差別の意識をなくすことは容易ではなかった。

◆フランス・パリに本部を置く英字紙インターナショナル・ヘラルドトリビューン(IHT)が、「3000年以上インドを支配してきた身分制度であるカーストが、経済の急成長によって崩れつつある」と報じた。独立後、社会主義経済体制を選んだインドは、91年の自由市場経済への転換という歴史的選択をした後、経済が急速に成長した。この過程で、不可触民を含む下層階級出身者や中小企業家の精神と資質を持った人々が成功神話を作り出し、身分制が揺れている。カーストの遺産と偏見が完全に消えたわけではないが、意味のある変化が起こっている。

◆経済的変化が社会意識を決める大変重要な要因であることは明らかだ。朝鮮王朝時代、社会の基本秩序だった「班常」制度は、日本による植民地支配期と大韓民国建国後の約60年を経て崩壊した。戦争や土地改革、経済成長と深い関係がある。「一歩一歩、歩く象」と呼ばれるインドは、中国と共に21世紀の世界秩序の再編の台風の目として注目される。インドがカーストの足かせから脱し、能力中心社会に変わるなら、経済の跳躍に役立つだろう。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com