インターネット掲示板、ユーザー作成コンテンツ(UGC)、ツイッターなど、ニューメディアを使った事前選挙運動を禁止する公職選挙法の条項が違憲という憲法裁判所の決定が出た。昨日、憲法裁が政治的表現の自由とソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用した選挙運動を事実上全面的に許容したことで、来年の総選挙と大統領選でニューメディアが強い影響力を発揮する見通しだ。
現行の選挙法93条1項は、「選挙日180日前から選挙に影響を与えるため、政党や候補者を支持・推薦または反対する内容を含めた広告、挨拶状、張り紙、写真、文書などはもちろん、その他これと類似のものを禁止する」と明示している。憲法裁の決定の核心は、「その他これと類似のもの」にSNSが含まれるかどうかだった。憲法裁は、「政治的表現と選挙運動に対しては自由を原則に、禁止を例外にすべきだ」として、インターネットやツイッターのようなニューメディアが「その他これと類似のもの」に含まれないことを決定した。この条項の立法目的は候補者間の経済力の違いによる不均衡を阻止することであるが、インターネットは利用費用がほとんどかからないため立法目的に適した道具であるということだ。
公職選挙法の大原則は、「お金は縛って口は自由に」だ。SNSがこの精神を具現する最適の環境を提供するという点で憲法裁が「お金のかからないニューメディアによる選挙運動」を許容したのは歓迎したい。ニューメディアの賢い活用で過度な選挙費用を減らし、選挙費調達のための汚職の余地を無くすことができる。
10・26ソウル市長補欠選挙は大衆性のある教授、芸能人、作家らがツイッターを通じて朴元淳(パク・ウォンスン)無所属候補を選挙支援して、当選に寄与した。来年の総選挙と大統領選の時はSNS選挙運動が合法化したことで、政治家の間では多くのフォローを抱えている有名人を味方につけるための競争がし烈になりそうだ。
しかし、SNSを利用した選挙運動すべてが完全に許容されるわけではない。現行の公職選挙法上、偽りの事実を公表したり候補者を誹謗する行為は禁じられている。これはSNSにも同じく適用される。オンラインを通じてこのような不法選挙運動をする場合、オフラインとは違ってそのまま足跡が残るため、法の網をくぐり抜けるのは難しい。政府当局は選挙民意を歪曲させる不法行為に対してはオフラインと同様にオンラインでも取締りの手を緩めてはならない。