李明博(イ・ミョンバク)大統領は21日、東亜(トンア)日報や国内外のメディア7社の共同インタビューで、「北朝鮮のミサイル発射実験で、韓国の射程300キロ制限が限界にきた」とし、「北朝鮮の核攻撃の予防にも必要なため、近く合理的な水準で答が出るだろう」と述べた。01年に韓米ミサイル指針によって決まった「弾道ミサイル射程300キロ、弾頭重量500キログラム」という制限が解除されることの予告だ。北朝鮮が韓半島全域を射程圏とする中・短距離ミサイルを約1000基も保有しており、大陸間弾道ミサイル(ICBM)が完成段階に至る状況を考慮すれば、韓国は立ち遅れている。
韓国と米国は09年4月、北朝鮮の長距離ロケット「光明星(クァンミョンソン)2号」試射の後、ミサイル射程の延長交渉に入ったが、結論を出すことができなかった。ミサイル技術の拡散に対する米国の抵抗が強かったためだ。一方、北朝鮮は、ミサイル技術統制体制(MTCR)範囲外で済州島(チェジュド)まで攻撃できる「スカッドC」(500キロ)と日本を射程圏に含む「ノドン」(1300キロ)ミサイルを実践配備した。4月中に打ち上げを予告した「光明星3号」の射程が6700キロだ。
韓国は、射程の制限を受けない巡航ミサイル「玄武(ヒョンム)」(1500キロ)を開発したが、速度が弾道ミサイルの10分の1で迎撃されやすく、弾頭の重量も軽いため、破壊力が落ちる。現在保有している射程300キロ以下の弾道ミサイルでは、舞水端里(ムスダンリ)基地など北朝鮮と中国の国境地域に集中配備された長距離ミサイル基地や核施設を攻撃できない。
北朝鮮が核弾頭の小型化技術を完成し、生物化学兵器の搭載技術まで備えたなら、韓国側の劣勢はさらに深刻になる。米国が韓国とミサイル射程の延長に事実上合意したのは、北朝鮮のミサイル脅威が韓半島の安保環境を変えたことを認めたからだ。今回700〜1000キロほど射程を延長する必要がある。
人工衛星を云々して長距離ロケットの打ち上げを準備している北朝鮮は、26、27日にソウルで開かれる核安全保障サミットで北朝鮮の核に関する声明が出た場合、これを宣戦布告と見なすと脅迫した。会議に出席するために来韓するオバマ大統領は25日、城南(ソンナム)のソウル空港に到着し次第、非武装地帯(DMZ)に向かって、堅固な韓米連合安保態勢を誇示する計画だ。オバマ大統領は、北朝鮮全域を攻撃できるミサイル射程の改定を通じて、北朝鮮に強力な警告メッセージを送ることを望む。