サイコパスがいかなる存在かを描いた映画が「羊たちの沈黙」。ハンニバル・レクターは残忍で知能的であり、苦痛に無感覚で芸術的な趣向を持つサイコパスの典型だった。実在したサイコパスでは、３０〜１００人の女性を殺害したテッド・バンディ、１７人の青少年を殺害して人肉を食べた「ミルウォーキーの食人鬼」ジェフリー・ダーマー、１３人を殺害したリチャード・ラミネスが悪名高い。彼らはハンサムで、女性の同情心に訴えて犯行対象を誘引した。ロースクールの学生だったバンディは法廷で甘いマスクと優れた弁舌で自らを弁護した。
◆連続殺人犯ユ・ヨンチョル死刑囚とカン・ホスン死刑囚は、韓国のサイコパスだ。ユ死刑囚は０３年と０４年、老人や女性２０人を殺害した。自分の手に合わせて製作したかなづちを使って殺害し、証拠を消すために死体をばらばらにしたり火をつけた。この事件は、映画「追撃者」のモチーフになった。カン死刑囚は０５年１０月、自宅に火をつけて妻とその母親を殺害し、軍浦（グンポ）の女子大生を含め７人の女性を殺害した。彼らは犯罪を反省することなく、死刑執行を待っている。
◆サイコパスは精神病ではない。妄想、幻覚、幻聴によって分裂が生じ、行為の結果に対する認識がない精神病患者とは違って、サイコパスは反社会的な性格障害だ。サイコパスの最も重要な特徴は、他人の苦痛に冷淡だということだ。嘘発見器にかからない唯一の犯罪型がサイコパスだ。人口の４％がこのような傾向を持って生まれるという統計もある。家族や教育の影響でこのような傾向は現れないが、生きていれば周囲でこのような性格の人に会うことはしばしば起こる。
◆水原（スウォン）で２０代女性を殺害したオ・ウォンチュン容疑者が、サイコパス検査（ＰＣＬ）でユ・ヨンチョル死刑囚（３４点）より低い点数（２２点）だったという。オ容疑者が小心者で犯行が偶発的であり、顔を隠して死体を傷つけたという点で、サイコパスではないという見方もある。しかし慶熙（キョンヒ）大犯罪心理学科のイ・スジョン教授は、「一般的な服役者と比較すると、２２点でも低い点数ではない」とし、電信柱に隠れていたとか、死体を残酷にも損壊し、遺棄するために黒いビニール袋を購入したという行為も、オ容疑者がそれなりに頭を使った行為であると指摘した。オ容疑者は知能指数と教育水準が低い変形サイコパスの可能性が高い。
鄭星姫（チョン・ソンヒ）論説委員 shchung＠donga.com
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