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[オピニオン]メンター披露現象

Posted April. 13, 2012 08:16,   

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先月29日、野党連帯の総選挙メンター団が出動した。鉠國(チョ・グク)ソウル大教授、小説家の孔枝泳(コン・ジヨン)氏、歌手の李銀美(イ・ウンミ)氏、詩人の金龍澤(キム・ヨンテク)氏ら12人で文化芸術界の関係者が殆どである。野党は、昨年10月のソウル市長補欠選でもメンター団を結成し、20、30代に支持を訴えた。ソーシャルメディアで多くのフォロワーを抱えている左派系の著名人たちが選挙戦の全面に出て、野党連帯が擁立した朴元淳(パク・ウォンスン)弁護士への支持を訴えたのだ。こうして行われた選挙で大成功を収めた野党は、今回の総選挙でもソウル市長選のときと同じメンバーでメンター団を作った。

◆しかし、彼らの「軽い口」は際どかった。鉠教授は、セヌリ党のソン・スジョ候補が「チョンセ(まとまったお金を預けて月払いの家賃がない貸家)保証金3000万ウォンをつぶして選挙運動に使う」と発言したあと、チョンセ保証金を引き出していなかったことが判明すると、「公職選挙法違反」だと攻撃した。選挙管理委員会は、「選挙資金の調達計画を表明したのは選挙法違反に当たらない」として、最高裁の判例を提示した。法学者である鉠教授の専門性に対する疑問の声が出たきた。キム・ヨンミン民主統合党候補がライス元国務長官を取り上げた「強姦殺害」発言については、「グァンタナモ米軍基地での性的暴行を批判する中で出たものだ」と言って、金氏の発言を庇った。だが、金候補が問題発言をした放送では、グァンタナモ基地問題は全く言及されていなかった。

◆孔枝氏は、「小説」と「事実」の区別がつかない言動で何度も議論を呼んだ。江南(カンナム)のリッチタウンであるタワーパレスの投票率が総選挙当日の午後2時に78%を越えたという書き込みを引用してツイッターに投稿したが、午後4時現在の投票率は54%だったことが確認されている。彼らの当たり構わない言動が続くと、メンター団に対する披露現象が出ている。彼らは、本人たちが一言を発すれば、すべての若者たちは、そのまま受け入れると考えているかもしれないが、批判的で独立的な考え方をしている成熟した若者たちは大勢いる。

◆メンターは、世間の経験が浅い若年層の相談相手、助言者を意味する。メンターが相談を受けるメンティーにアドバイスをするためには、まず言うことの事実関係が正確でなければならないなずだ。メンター団が、本人が支持する政派の候補に票を入れろと若者たちを駆り立てる行為は、真摯な助言や配慮とはかけ離れている。今選挙で、野党連帯が発揮した破壊力は予想を大きく下回った。国の運営のために求められるコンテンツと能力を有権者に示すよりは、感覚的な広報手段を頼りにしたツケは小さくない。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com