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本人が語る金炳賢にまつわる「誤解と真実」

本人が語る金炳賢にまつわる「誤解と真実」

Posted April. 13, 2012 08:16,   

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金炳賢(キム・ビョンヒョン、33=ネクセン)の顔は明るかった。よく笑い、ざっくばらんだった。かつての「悪童」の様子は見られなかった。彼は米国と日本のプロ野球を経て13年ぶりに故郷に帰ってきた「韓国型核潜水艦」だ。その間、大リーグ最高の栄誉のワールドシリーズ優勝(01年アリゾナ)の喜びからマイナーリーグへの降格と放出の痛みを経験した。11日、ソウル陽川区木洞(ヤンチョング・モクドン)で会った金炳賢は、自分と関連した「誤解」と「真実」を率直に打ち明けた。

●誤解1=金炳賢は「悪童」?

そう。私は金炳賢だ。一時は社会の中へ飛び込むのが怖かった。周りでは私のことを「4次元」とか「マスコミ嫌い」と呼んでいた。そうなればなるほど、私はもっとしっかり隠れた。実は私の野球がうまくいかなくてそうしたんだ。20歳の時の1999年、成均館(ソンギュングァン)大学在学中に米プロ野球アリゾナに入団したため、全くの世間知らずだった。

大リーグで最初の2年は私には最高の時間だった。01年ワールドシリーズ優勝指輪もはめたし。しかし、翌年、相手打者のバットに足首が当たってから体調が悪化し始めた。あれから私のボールが気に入った年は1年もなかった。「大きく成功して帰らなくちゃ」という考えで焦りを募らせていた。家へ帰ったらとんだ想像をした。「宇宙の端はどこだろう」「地球はどうして回るのだろう」独りで私だけの「小さな部屋」に閉じ込められていた。

しかし、今は違う。所属チームがあって、愛する家族がいるから。チームメートと一緒にプレーし、おしゃべりするのが楽しくなった。妻と子どもへの責任を持つ家長であるというのが幸せだ。妻とロマンティック・コメディ映画を一緒に観て涙を流しながら、心の中のしこりが消えた。子どもと一緒に遊びながら、この世を共に生きていることに気付いた。

●誤解2=日本プロ野球で失敗?

昨年楽天に入団した時、新人年俸(1200万円、約1億6900万ウォン)をくれると言われた時、文句をつけずにそのまま受け取った。華やかな復活を夢見たわけではない。体作りをするのが先だった。7月まで直球が最高時速148キロまで出て、平均自責も2点台で上々だった。しかし、野球文化が違っていて馴れるのが大変だった。これまで投げていたシンカー(直球のように飛んできて、打者の体の方へ落ちる球)があるが、自分たちのシンカーを覚えろと言われた。日本がマンガが発達したためか、魔球のようなシンカーを望んでいた。ユニホームを着て2軍でプレーしたことだけでも満足している。

●誤解3=WBC旅券紛失事件

09年第2回ワールドベースボールクラシック(WBC)は本当に行きたかった。ハワイ転地トレーニングを控えてきちんと体調を整えようとした。出国日はバレンタインデー(2月14日)だった。空港に到着して友だちとご飯を食べていた食堂で、パスポートを入れておいたかばんを置いてきてしまったのを知った。韓国野球委員会(KBO)の関係者に「出国を遅らせることができないか」と聞いたが、駄目だと言われた。約束を守れなかった私の間違いだったので「申し訳ない。だったら行けない」と言った。本当に残念だった。来年第3回WBCが開かれるが、呼んでもらったら栄光だ。柳賢振(リュ・ヒョンジン=韓化)、尹錫鏜(ユン・ソクミン=KIA)のような錚々たる選手が多いが、私のようなベテランが必要だったら、いつでもいい。

●誤解4=観客に暴言?

03年ボストン時代、先発から抑え補職が変わった。監督は左利きの打者が出ると、私の代わりに左腕投手に替えた。オークランドとのプレーオフ時も私がツーアウトを取ったのに、投手を替えた。替えられた投手が失点して試合で負けた。そして、ホームへ戻ったが、私を紹介する時、一部の観客が揶揄をした。正直頭にきた。思わず米国人がいたずらをするように中指を持ち上げたが、その場面が大型電光板に映ったのだ。内外のマスコミからずいぶん叩かれた。暴言を言ったのは確か私の間違いだが、もし私が最後まで責任を取った試合で批判されていたら、そのような行動はしなかったはずだ。

●誤解5=ワールドシリーズのホームラン悪夢に屈服?

私はいつも「ホームランを打たれたら、次に防御したらいい」と考えた。01年、ニューヨーク・ヤンキーズとのワールドシリーズ第5戦で、9回スコット・プロシャースにホームランを打たれて座り込んだのは、チームメートに申し訳なかったからだ。あの時、アリゾナではベテラン選手が多かった。特に、マイク・モーガン(53、02年引退)は私が生まれる前の1978年から大リーグでプレーした選手だった。私と仲良しで、キムチもよく食べた。そのような彼が「今度はワールドシリーズの指輪をもらうんだね」と言っていた姿が思い出されて座り込んでしまったのだ。

●真実=俺は金炳賢だ!

また始めた野球が楽しくてしょうがない。金始真(キム・シジン)監督と鄭鏜台(チョン・ミンテ)コーチから中心移動などについて助言を受けながら体調を押し上げている。

投球フォームも大リーグ時代は中間動作なしにすぐ球を投げたが、今はグローブを一度打って投げるんだ。柔軟性と筋力が落ちたのを補うためだ。ハン・ヒョンヒなど素敵な後輩らを見たら、いつか指導者になりたいという気もする。長い時間を回りまわって故郷へ帰ってきたが、後悔はないよ。私は金炳賢だから。



beetlez@donga.com djc@donga.com