「ニューヨークに良いシングルの女は多いが、良い男はみんな妻子もちかゲイだ」米国ドラマの「セックス・アンド・ザ・シティ」のせりふだ。実際、「同性愛者の天国」はニューヨークではなく、サンフランシスコだ。同性愛者が集まって暮らすカストロ街では、毎年6月、同性愛者が集まって虹色の旗を持って、行進するゲイ・フェスティバルを開催する。このファスティバルは、今はサンフランシスコが誇る観光名物になった。サンフランシスコでは、カストロ住民の支持を取り付けられなかったら、市長に当選できない。
◆1978年11月27日、サンフランシスコ市議会の顧問、ハーヴェイ・ミルクがジョージ・モスコーニ市長と共に市役所内で、同僚議員のダン・ホワイトに殺害された。韓国戦争にも参戦したミルクは、米国で初めて、同性愛者であることをカミングアウトした人物。同性愛者嫌悪論者のホワイトが一級殺人ではなく、衝動殺人が適用されて、7年8ヵ月の軽い刑を言い渡されたことに憤慨した全国の同性愛者が、虹色の旗を持って、講義するために駆けつけた。この内容が08年映画「ミルク」で作られ、09年バラック・オバマ米大統領は、ミルクに性的少数者の人権向上に貢献した功労で、米国最高の勲章である「大統領自由メダル」を贈る。
◆虹色が同性愛を象徴するのは、性的少数者をはじめ、多様性を認めてもらいたいという意味だ。虹色の旗をデザインした画家のギルバート・ベイカーは当初、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色を使ったが、今は藍が抜けた6色だけが残っている。韓国でも虹色のシャツや旅行かばんの紐を愛用する人が多いが、意味を知らないまま使っているようだ。海外ではともすれば同性愛者に誤解されかねない。実際、サンフランシスコ・カストロ街では家に虹色の旗を挿して、同性愛者であることを知らせるが、旗がない家はなかなか見られない。
◆ニューズウィーク紙が表紙に「初のゲイ大統領」というタイトルと共に、虹色の王冠をかぶせたオバマ大統領の写真を載せて話題だ。もちろん、オバマ大統領はゲイではないが、同性結婚支持を喩えた表現だ。09年就任したアイスランドのヨハンナ・シグルザルドッティルが、世界最初のレズビアン首相だ。米国での同性結婚政策は、州毎に違う。オバマ大統領の大統領選勝負数の「同性結婚支持」がどのような波紋を呼び起こすか、米大統領選も少しずつ興味を増している。キリスト教が主な支持基盤の共和党は、同性結婚認定を反対する。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com