今年配布された横浜市の中学校の副読本に、「1923年の関東大地震当時、日本軍人と警察が朝鮮人を虐殺した」という内容が記述された。以前の副読本では、この事実が曖昧になっていた。
25日、在日本大韓民国民団の機関紙の「民団新聞」によると、横浜市教育委員会が横浜市の中学校に配布した2012年版副読本「わかるヨコハマ」には、関東大地震と関連して、「軍隊や警察、在郷軍人会、青年会を母体として組織された自警団が、朝鮮人に対する迫害と虐殺を行い、中国人も殺害した」と記されている。また、「横浜各地でも自警団が組織され、緊張状態となり、朝鮮人と中国人が虐殺された」と明記された。「わかるヨコハマ」は、横浜市の歴史や文化、自然への理解を深めるよう活用される副読本で、今年は149校、約2万7千人に配られた。
関東大地震で朝鮮人虐殺に日本の軍隊や警察が関与したという内容や、中国人まで犠牲になったという内容は、昨年までの副読本にはなかった。2011年度の副読本には、「政府が戒厳令を発動し、軍隊を横浜に出動させた。理由は、自警団の中に朝鮮人を殺害する行為に走るものがいたためだ。横浜市内だけでも多数の犠牲者が出た」と表現されていた。軍隊の出動がまるで朝鮮人殺害の防止のためのように書かれていた。
今年の副読本には、「殉難朝鮮人慰霊の碑」の写真も掲載された。この慰霊碑は、朝鮮人虐殺を目撃したというある市民が、1974年に謝罪と反省の思いを込めて、横浜市内の久保山墓地に建てたものだ。
今年、このように内容が改訂されたのは、横浜市立中学校を定年退職したある日本人教員が、1年前から繰り返し修正を求めたことによる。これに対して、保守系の産経新聞は25日、「関東大地震で殺害された朝鮮人に対しては諸説ある。改正された内容は一方的な見方」と批判し、「文部科学省の検定を経ない副読本の問題点が露になった」と主張した。
lovesong@donga.com