Go to contents

趙簡単になった改名手続き、前科者の「身元作り替え」に悪用される恐れ

趙簡単になった改名手続き、前科者の「身元作り替え」に悪用される恐れ

Posted July. 03, 2012 07:56,   

한국어

今年2月、警察はネイルアートショップに侵入して財布を盗んで逃走したチェ某氏(30)を追跡する過程で、馬鹿馬鹿しい状況に出くわした。警察は「崔○○」という名の容疑者を追跡していたのだが、捕まった男の名前は崔××だったのだ。犯人の容姿は目撃者の証言と一致したが、肝心の名前が違った。確認した結果、崔氏は今年1月に改名申請をして1週間後の2月12日に最終的な許可をもらった。

2005年、最高裁判所が「個人の人格権と幸福追求権が侵害されてはならない」という趣旨から改名を幅広く容認するまでは、改名は簡単に容認されるものではなかった。身元情報が混乱するため、法律関係が不安定化しかねないという理由からだった。だが、最高裁の判決後、改名を認められた人が増加すると、これを悪用する例が増えている。警察の追跡を逃れたり、犯罪事実の隠ぺいなどにを利用されているのだ。

2000年に3万3210件だった改名申請者は、2010年には16万5924件と激増した。警察は、この中には身元作り替えを狙った申請者も数千人に上るだろうと推定している。

実際、窃盗前科があるペク某君(17)は昨年、名前の語感が良くないとして改名した後、今年4月、中学生たちのスマートフォンを盗むところを検挙された。ペク君の知人は、ペク君のことを改名前の名前で呼んだ。警察の追跡過程でも身元の不一致から混乱した。警察は、ペク君を追う過程で、普段呼ばれている名前と電算網に登録された名前が異なり、同一人物であるかを確認するのに手を焼いた。

2009年、ソウル市内の大学に在学していたH氏(26・女)は、先輩を使って大学のサーバーを不正侵入し、成績表のFをAにすべて操作したことが発覚し、起訴猶予処分を受けた。H氏がテレビ放送で活躍することを期待していた両親は、噂が広がると娘の名前を変えた。H氏は犯罪経歴を隠したまま改名した名前でテレビのアナウンサーやリポーターとして活躍している。

法曹界では、裁判所が改名を過度に幅広く容認し、名前を巡る法的安定性に問題が起きているという指摘が出ている。「名前がダサい」などのように、申請者が個人的な事由さえ説明すれば、本当の改名の目的とは関係なく改名を許可しているのは問題だという。

改名申請時に捜査を受けていたか前科を確認する手続きが不十分なのも問題として指摘されている。現在、改名を申請すれば、住民登録謄本や抄本などの基本的な書類と改名申請書だけ提出すれば済む。犯罪経歴証明書は提出が義務付けられていない。

地方裁判所のある判事は、「小さな裁判所にも1週間に40〜50件の改名申請が寄せられている」とし、「警察に一々前科照会をするのも面倒だし、他の業務も多いので特別なケースでなければ許可している」と話した。実際、判事たちは、改名申請者が出した10枚あまりの書類を検討するのに3分程度しか使っていないという。

チョン・サンス弁護士は、「『変な名前』のために苦しんでいる人たちの『改名の自由』が制限されてはならないが、副作用を最小化するためには犯罪経歴証明書の提出を義務付けるべきだ」と話した。



hjson@donga.com dong@donga.com