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[オピニオン]ローマの休日

Posted July. 05, 2012 06:07,   

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営業を休んでいる店が多かったので休日かなと思った。観光客が押し寄せる夏休みシーズンなのに、ローマの汽車駅やホテルの前でお水や記念品を売る行商が、午後6時になると屋台を畳んで撤収していた。観光地の商店なら休日や夏休みシーズンこそ、活気に溢れていて普通なはず。オードリ・ヘプバーンが復活したとしても、短くて甘い恋の戯れを楽しむ「ローマの休日」のような映画は、二度と作られそうになかった。

◆イタリアのモンティ首相は、落ち込んでいる経済の活性化を図り、今年初めから商店や食堂、バーの営業時間を自由化した。ところが、ローマの中小企業連合は強く反発した。「大手スーパーだけが有利になる」という理由からだった。3年間、ローマだけで1万の小規模商店が閉店し3万5000の関連の仕事がなくなったが、スーパーとの競争のせいだけにするのは無理がある。むしろ「規制がある方が楽だ」と言うイタリアの人々の精神力崩壊も大きな原因だ。寝ないで働けと言うのか、消費主義は解決策にならない、夜中まで開店させたいなら博物館にやらせろ、ローマはニューヨークじゃないんだ…。町の商店からの不満が相次いだ。

◆7ヵ月前、モンティ首相は政治と関係ないテクノクラート出身であることが評価されて、首相の座に上り詰めた。来年の総選挙と関係なく、年金と税金などに対する財政改革や規制改革で機能不全になったイタリア経済の立て直せるものと期待された。しかし、腐敗した政官界とマフィアみたいな業界は、地縁、学閥、血縁でつながり、「競争反対」を叫んでいる。厳しい大学教授のように「競争だけが競争力を育む」と言うモンティ首相の人気は下降カーブを描いている。現在、この国で一番人気の政党は、コメディアンでブロガーが率いる「五星運動党」である。われわれで言うと「ナコムス(俺は小細工だ)」に相当する。

◆イタリアは、まだ救済金融の支援を受けていないが、国家債務がスペインの3倍を超えており、安心できる状態ではない。財政危機に陥っている国々の国債の買い取りや成長政策支持という欧州連合(EU)のリーダーたちの解決策も、まだ「リップサービス」に近い。経済危機を克服したラトビアから分かるように、政府の支出を削減することで債務を減らし、国民は賃上げの要求を自粛し仕事に励むことで競争力を強化することが、最善の解決策である。映画「ローマの休日」を観た人は、数々のロマンチックな想像をして訪れているが、ローマ市内にはユーロ圏の経済危機で憂鬱な雰囲気が漂っている。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com