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[社説]国民の知る権利を妨害する選管

Posted September. 18, 2012 08:01,   

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企画財政部(財政部)は4月初め、与党セヌリ党と野党民主統合党(民主党)が総選挙を狙って出した266の福祉公約をすべて守るには、5年間で少なくとも268兆ウォンの予算がさらに必要になると分析した。今年の総福祉予算(92兆6000億ウォン)の3倍を超え、両党がそれぞれ明らかにした費用(セヌリ党75兆ウォン、民主党165兆ウォン)を上回る額だ。有権者が甘い福祉公約の誘惑に陥らず、福祉はまさに税金だという点を悟らせるのに役立った。しかし、中央選挙管理委員会は、このような財政部の分析と公表が「公務員選挙中立の義務」に反するとして注意を与えた。

先月、統合進歩党のパク・ウォンソク議員(7日離党)が、財政部に与野党の福祉公約の費用を公開するよう求め、財政部が中央選管に問い合わせたところ、再び「公開しない方がいい」という回答だった。国家財政を担う財政部が政策公約に実際にどれだけかかるか計算し、国民に伝えることは、国民の正しい選択のための知る権利への服務だ。責任ある政府なら、将来の国益に影響を及ぼす選挙公約を当然検証し、国民に報告する義務がある。

世の中にタダはない。国民が福祉という便益を得ようとするなら、コストを支払わなければならない。税金、財政悪化、未来世代の負担がまさに福祉のコストだ。国民が福祉の便益と費用を知ってこそ、その福祉政策の適正さを正確に判断できる。費用がいくらかかるか説明せず、福祉公約だけ掲げることは、値段を知らせずに、ただ商品を買わせようとするセールスマンと大差ない。

政府と国家機関は、選挙で政治的中立を厳正に守らなければならない義務がある。しかし、政策公約にかかる費用の産出は政治介入ではなく、国民の正しい選択のための情報提供と見なければならない。与野党の公約は、いずれも税金をばらまくポピュリズムに没頭している。財政部が、与野党の問題点をバランスよく指摘するなら、選挙介入の問題は不必要な心配だ。政策の検証は、先進民主主義の実現の核心だ。選管が核心課題として掲げた「政策選挙拡散」のためにも、政策検証は必要だ。選管の存在理由は、選挙民主主義を育てることにある。福祉公約の検証を制止する選管の態度は、選挙介入論議を俎上に載せないという保身主義の産物でないか疑わしい。

有権者である国民は当代だけでなく子ども、孫の世代の暮らしまで考え、民主的理性を発揮する必要がある。選管は、国民の知る権利を満たすための努力を妨害してはならない。