歌手・サイの「江南(カンナム)スタイル」のブームを受け、中国が後になって盛り上がっている。一方、韓国と外交的トラブルが起きている日本での反応は、冷たいばかりだ。
世界的な「‾スタイル」流行にも、冴えない反応を見せていた中国のネットユーザーらは、1日から8日にかけての国慶節の大型連休を経て、爆発的な反応を見せ始めている。最近、中国中央テレビ(CCTV)、人民日報、新華社通信などの主要国営メディアは、相次いで関連報道を出しながら、火をつけている。
5日、中国動画共有サイト「優酷」では、16日前に掲載された「美少女による中国版江南スタイル」が、約900万件のクリック数を記録している。サイの原曲のリズムに、中国語で翻訳された歌詞をつけた動画には、馬ダンスの動作や高級車、めがねをかけた男、ミニスカート姿の若い女性など、オリジナル動画に登場する様々な要素がくまなく入っている。歌詞の中の「お兄さんは江南スタイル」を、「お兄さんはチャイナスタイル」と変えて歌う。
コミック演技で有名な香港の映画俳優であり監督でもある周星馳が出演した「神同步」という映画の主要シーンを、江南スタイルの歌に合わせてパロディーした「周星馳版」も、12日間で、計230万件余りのクリック数を記録した。北京晩報は4日付けで、今回の連休に、中国のネット上で最も熱い反応を受けた動画は、ほかならぬサイの江南スタイルだと伝えた。
一方、日本での反応はぱっとしない。メディアではほとんど取り上げておらず、一般の人たちの多くが歌手・サイや江南スタイルについて知らない。パロディー動画も全くない。
毎日新聞は5日付で、「全米トップに迫る」というタイトルのサイの江南スタイルの記事を報じたが、その前日にソウル広場で開かれた公演や米「ビルボードホット100」のニュースだけに簡単に触れた。この1ヵ月間、サイに関する日本メディアの報道は、片手で数えるほどだ。日本の大半の成人は、鞖勇俊(べ・ヨンジュン)やチャン・グンソクは知っているが、サイについては首をかしげている。
一方、ユーチューブ上でサイの江南スタイルをクリックした国の数が、国連の加盟国より多いことが、調査の結果分かった。ユーチューブは、江南スタイルの公式プロモーションビデオがアップロードされた7月15日から先月28日までの国別のクリック件数について分析した結果、計222ヵ国で江南スタイルを視聴したと、5日明らかにした。国連の193の加盟国より多い数値だ。
クリック数では、米国が約5996万件、韓国は約2369万件を記録し、それぞれ1位と2位になった。100万件以上のクリック件数を記録した国も、45ヵ国に上っている。インターネットの加入者数が19万人(10年末基準)に過ぎないモンゴルでのクリック件数は、90万件を越えている。ユーチューブは、パロディー動画だけでも3万3000件あまりに上っていると明らかにした。
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