大統領選候補は皆、自分に対する攻勢はネガティブキャンペーンだと言い、他の候補への攻撃は検証だと主張する。マスコミの資質検証をネガティブ攻勢だとこき下ろしたりもする。ネガティブキャンペーンと検証はどのように違うのだろうか。
候補検証分野としては政策、リーダーシップ、思想、道徳性などが挙げられる。まず、専門家らはこれら分野で①問題提起が事実(fact)に基づいているのか、観点によって違う判断(judgement)が可能な事案なのか、問題提起者の意見(opinion)が介入しているかどうかを判断しなければならないと指摘した。
事実確認が可能なものは検証だ。無所属の安哲秀(アン・チョルス)候補がかつて住宅売買の時にダウン契約書を作成したという疑惑はすぐ事実と判明し、安候補が謝罪した。
反面、事実確認が難しい状況で問題提起者の判断だけで取る攻勢はネガティブキャンペーンだ。キム・ヒョンジュン明知(ミョンジ)大学教授は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の北方限界線(NLL)放棄発言をめぐる議論を例に挙げた。発言の真意が確認される前に盧前大統領がそのような発言を言った言わないを前提した断定的な判断によって攻防が行われるのはネガティブキャンペーンだという話だ。
セヌリ党の朴槿恵(パク・グンヘ)候補が5・16について明確な見解を示していない点を批判するのは検証だが、その点だけを取って「朴候補が維新を復活させる」と攻撃するのは意見が介入したネガティブキャンペーンに属すると専門家らは指摘する。理念と関連がある問題である場合、事実確認か分析なしに特定候補を「従北左派」「守旧派」だと非難するのもネガティブキャンペーンだ。
専門家は、②全ての候補に等しく適用される比較基準があるかどうかを見なければならないと言う。例えば、経済民主化政策で3人の候補の優劣を決める検証はネガティブキャンペーンではない。しかし、特定候補だけを批判したり、違う物差しを用いるのはネガティブキャンペーンだということだ。③候補自分の問題でない事案を候補に結びつける場合もネガティブキャンペーンだ。朴候補を父親の朴正煕(パク・ジョンヒ)元大統領と、民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補を盧武鉉前大統領と同一視したまま攻撃するのは検証の領域から外れているということだ。
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