Go to contents

[オピニオン]米ハリケーンは大統領選の「天心」

[オピニオン]米ハリケーンは大統領選の「天心」

Posted November. 01, 2012 09:37,   

한국어

ワシントンの新聞博物館「ニュージアム」へ行けば、1948年大統領選で勝利したハリー・トルーマンが、「デューイがトルーマンに勝つ」という見出しのシカゴトリビューン紙を持って笑っている写真がある。有名な誤報が載せられた新聞は今高い価格で取引されている。当時、民主党の内輪もめで全ての世論調査がジョン・デューイの勝利を予想した。しかし、天気だけはそうではなかった。選挙当日、ミシシッピ渓谷で発生した暴風雨で農村地域の交通がマヒし、共和党支持の多くの有権者が投票を放棄した。

◆ハリケーンのような大型災難も大統領選の結果に影響する。ブッシュ大統領親子はハリケーンと悪縁がある。父親のブッシュ大統領は、1992年、ハリケーン・アンドリューに適切に対応できず、同年の大統領選でビル・クリントンに敗北した。息子のブッシュ大統領も05年ハリケーン・カトリーナがニューオーリンズに接近していることを知りながら、テキサスで休暇を楽しみ、大統領専用機でニューオーリンズの上空を「観光するように」見回った後、ホワイトハウスに帰還して厳しく非難された。彼の失策は08年の大統領選での共和党の敗北に一役買った。

◆米東部を襲ったハリケーン・サンディは他のハリケーンとは発生時点や経路が違うため関心を引いている。何より投票日(11月6日)を一週間も残しておらず、しかも10月末に大型ハリケーンが発生したのが異例のことで、どちらかに票心が傾いていない競り合いの州を通過するのも珍しい。そこで票心に影響を与えるため、ハリケーンを人為的に発生させる気候操作兵器(HAARP)が動員されたというもっともらしい陰謀論が提起されている。

◆バラク・オバマ大統領とミット・ロムニー共和党候補は、サンディが大統領選の行方に決定的な影響を与えると見て、総力対応に乗り出した。今のところはオバマ大統領が得している様子だが、災難が拡大すると執権党に非難が殺到するため、必ずしも有利とは言えない。ロムニー候補は大型災難の渦中にも選挙運動にのみ邁進したという非難が発生しないか慎重な態度を示している。論争は「大きな政府—小さい政府論」に拡大している。ニューヨーク・タイムズは社説で、「大きい暴風は大きな政府を求める」と報道し、連邦緊急事態管理庁(FEMA)の廃止を主張したロムニー候補を批判した。気象が大統領選に与える影響が大きいので、大統領候補は民心はもちろん、天心の支持を受けてこそ当選できるものらしい。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com