イスラエルとパレスチナ武装勢力・ハマスとの衝突が、18日で5日間続いており、国際社会はイスラエルが地上軍を投入するかどうかをめぐり、神経を尖らせている。
ロイター通信は、双方の交戦が始まった14日から同日午前まで、イスラエルがガザ地区内の武器庫や軍事施設を狙って、計950回以上の空襲に踏み切ったと報じた。深夜、ガザ地区ではイスラエル軍艦から打ち込まれた大砲の音が、数十回も聞こえてきた。イスラエルが5日後は海上攻撃にまで踏み切ったと、英BBC放送などが同日伝えた。17日、イスラエル軍の空襲を受け、イスマイル・ハニエ首相の執務室、警察本部などを含め、ハマスの内閣ビルや「アルカードテレビ」放送局が破壊されるなどの被害が相次いだ。
エルサレムやテルアビブを狙ったハマスによるロケット攻撃が続いており、イスラエルはこの日だけでも200回以上の空襲に踏み切った。
ハマスのロケット攻撃も続いた。イスラエルは、死傷者発生を懸念し、ガザ地区と近い南部地域の学校に休校令を出した。ガザ地区境界地帯に、大規模な兵力やタンクなどを配備し、徴兵する予備軍規模を、16日召集命令を出した3万人の2倍以上の7万5000人にまで増やすことを決めるなど、地上軍投入準備をしている。イスラエルは、ハマスのロケット攻撃が続く限り、休戦はないと強気の態度を示している。
双方の紛争が激化し、国際社会は緊張している。17日、アラブ連盟(AL)加盟諸国は、エジプトのカイロに集まり、双方の仲裁のため、ガザ地区に代表団を派遣することを決めた。国連の潘基文(バン・ギムン)総長も、イスラエルやエジプトを訪問し、紛争中止を促すものと見られる。
イスラエルが実際、地上軍を投入するかどうかはまだわからない。空襲とは違って、地上軍を投入すれば、大規模な自国軍の人命被害を甘受しなければならず、イスラエルも負担を感じているという見方が出ている。パレスチナの民間人死亡者が増えれば、国際世論も悪化する。08年12月、ガザ地区に地上軍を派遣し、たいした所得無しに一方的に停戦を宣言した事例も、地上軍投入の足かせになっている。
友好国米国も、地上戦拡大を嫌っている。米CNN放送は、米高官の言葉を引用し、「米国は地上軍が投入されれば、エジプトがハマスへの支援に乗り出し、イランはハマスに戦闘機や武器を供給し、イランの核開発問題まで、複雑化するだろうと懸念し、イスラエルに地上軍を投入してはならないと、引き続きメッセージを送っている」と17日伝えた。
双方はすでに、得をしているという見方も持ち上がっている。来年1月の総選挙を控えているイスラエルは、安保を打ち出して票心を獲得すると同時に、ガザ地区内の主要軍事施設を破壊する成果をあげたという。ハマスも同様に、イスラエルに強硬な姿勢を打ち出すことで、交渉を強調してきたパレスチナ自治政府のアッバス議長の立場を弱化させ、支持基盤を拡大したという分析が出ている。
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