中国が年明け早々南シナ海の領有権を主張し、領土問題で主導権を握ろうとしている。日本と尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐって対立している状況で、東南アジア諸国との紛争も再燃される模様だ。
中国外交部の華春瑩報道官が、ベトナムが南シナ海の一部島嶼を自国領とする海洋法を発効させたことを受け、「不法であり無効だ」と主張したと、国営新華社通信が1日付で報じた。
華報道官は、記者の質問に答える書面の会見で、「中国は、西沙諸島と南沙諸島、その付属海域に対して論争の余地のない主権を保有している」とし、「これらの諸島に対するいかなる国家の領有権主張と行為はすべて不法であり無効だ」と明らかにした。
華報道官は、「ベトナムが(1日に)海洋法を発効させ、この海域に及ぼす悪影響に深い憂慮を示す」とし、「ベトナムが南シナ海問題を複雑・拡大しないことを求める」と強調した。
ベトナムは、中国との領有権問題で解決の兆しが見えないため、昨年西沙と南沙諸島を自国領と規定する海洋法を制定し、今年から発効した。南シナ海各国の衝突を事前に防止する「南シナ海における地域的行動規範(code of conduct)」制定を求めてきたが、中国が多国間交渉でなく国家対国家の2国間協議による問題解決を要求し、拒否してきたためだ。
中国は昨年、西沙諸島の永興島に南シナ海一帯海域を掌握する三沙市を設置し、この海域を通過する外国船舶の臨検の強化を宣言するなど、領土主権を強化する措置を取ってきた。中国は、フィリピンとも南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄巌島)をめぐって領土問題を起こしている。
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