米軍最高の勲章は「名誉の勲章（Medal of Honor）」だ。主に参戦して戦死した軍人に贈られるが、生存する英雄に与えられることもある。米国は９年間アフガニスタン戦争とイラク戦争を行い、９人にこの勲章を授与した。勲章を与える日になると、会場のホワイトハウスのイーストルームは祭りの場に変わる。大統領が直々に参加して、戦争英雄の首に勲章をかけ、功労を詳しく紹介する。受賞者の家族はもちろん、親類、仲間の兵士らもこの場に招待される。
◆１１年９月、授賞式を取材する機会があった。バラク・オバマ大統領夫妻と共にレオン・パネッタ国防長官ら軍首脳部、歴代受賞者、制服を着た仲間の軍人がイーストルームを埋め尽くした。受賞者には毎月６００ドル程度の手当と、医療特典が与えられる。「名誉の勲章」の受章者には上官でも先に挙手敬礼するのが慣行だ。とても立派な勲章なのだろうという思いとは裏腹に、青い布の首飾りに付けられた小さな勲章が全てだった。思ったよりずっと素朴で驚いた。
◆昨年５月、ホワイトハウスのイーストルームでは特別な行事が開かれた。オバマ大統領が前任者のジョージ・ブッシュ前大統領と夫人のローラ・ブッシュ氏を招待して、ブッシュ前大統領夫妻の肖像画を公開した。ホワイトハウス内に永久に展示される絵だ。ブッシュ政権時代のホワイトハウスの参謀らも現職参謀らと一緒に座って拍手を送りながら、笑いが絶えなかった。ブッシュ前大統領が退任して４年が経った時で、オバマ大統領の任期が終わる最後の年だった。オバマ大統領は前任大統領の肖像画を公開する際、最高の礼遇を尽くした。そして、「現職大統領はここ（ホワイトハウス）をしばらくお借りして使っているだけ」と言って、自分もいつかは元大統領になると話した。
◆李明博（イ・ミョンバク）大統領と夫人の金潤玉（キム・ユンオク）氏が退任直前にもらうことになるムクゲ大勲章は韓国で最高の勲章だ。「セルフ勲章」の授与について、大統領府は「大統領はムクゲ大勲章をもらって当たり前なため」と説明した。この勲章１つを作るためには金１９０匁がかかる。紫水晶やルビーなど宝石を含めて制作費は４８００万ウォンに達する。勲章２つだと、１億ウォン近くする。しかし、金と宝石で飾ったとしても勲章の価値が上がるわけではない。勲章の格は決して金では買えない。大統領府が過去の慣行を挙げて、「盧武鉉（ノ・ムヒョン）大統領ももらったから…」と追従せず、次の大統領が勲章授与の有無を決定するようにしたらどうかと思う。たとえ、勲章を受けられないとしても大統領を務めたこと以上の名誉はないはずだ。ムクゲ大勲章が華麗な外観とは違って、それほど名誉には思われない。青い布飾りの素朴な「名誉の勲章」と比べてみると尚更だ。
崔永海（チェ・ヨンヘ）論説委員 yhchoi65@donga.com
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