大韓民国初の女性大統領の朴槿恵(パク・グンヘ)第18代大統領が25日、国会議事堂前の庭で就任した。1978年12月27日、父親の朴正煕(パク・チョンヒ)9代大統領の就任式にファーストレディーとして参加した朴槿恵氏は、35年後、就任式の主人公になった。奇しくも当時の父親と同じ61歳だ。朴槿恵氏は大統領の娘として、ファーストレディーとして、大統領の資格で就任式に参加する珍しい記録を残した。
◆大統領就任式の場所は、韓国の民主化と政治史の軌跡を見せてくれる。建国の土台を構築した李承晩(イ・スンマン)大統領(1〜3代)は中央庁を好んだ。4・19革命以後就任した尹潽善(ユン・ボソン)第4代大統領は、就任式の場所を民意の殿堂の国会議事堂(現ソウル市議会)に、大統領の就任演説は「大統領の挨拶」に変えて身を低めた。5・16軍事政変で政権を握った朴正煕大統領(5〜9代)は中央庁広場へ戻った。統一主体国民会議の間接選挙で当選した8代と9代の就任式は奨忠(ジャンチュン)体育館の室内で行われた。全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領(11、12代)は場所だけを蚕室(チャムシル)体育館に変えた。汝矣島(ヨイド)国会議事堂前の庭が愛用されたのは1987年の民主化と直選大統領の登場以後だ。
◆体育館の外へ出た就任式はお祭りの場に進化した。「普通の人の時代」を宣言した盧泰愚(ノ・テウ)13代大統領は、1988年の就任式に一般の人を初めて招待した。21発の礼砲も発射した。国の公式行事に国楽が使われたのもあの時からだ。金永三(キム・ヨンサム)14代大統領は任期開始に合わせて33度の普信閣(ボシンガク)鐘の打鐘行事を導入した。以後、「新韓国創造—みんな一緒に前へ」(金永三)、「融和と跳躍の新しい出発」(金大中)、「新しい大韓民国、一つになった国民が作ります」(盧武鉉)、「一緒に進みましょう、国民成功時代」(李明博)、「統合と前進、国民の暮らしの中へ」(朴槿恵)といったテーマがある就任式が登場した。DJDOC(金大中)、GOD(盧武鉉)、キム・ジャンフン(李明博)、サイ(朴槿恵)のような芸能人の公演も式典行事に行われた。
◆就任式の前に通貨危機(金大中)、大邱(テグ)地下鉄惨事(盧武鉉)、崇礼門火災(李明博)、北朝鮮の3次核実験(朴槿恵)といった大型事件事故が発生するジンクスが続いた。歳月は市民の位相も変えた。金大中大統領は一般人代表の座を壇上の上に上げた。
朴槿恵大統領は家族席を壇上の下へ下ろした。朴大統領は就任演説で、「国民と共に『第2の漢江(ハンガン)の奇跡』を作る偉大な挑戦に乗り出す」と話した。「漢江の奇跡」を作り出したが「80年代の福祉国家建設」のビジョンだけを提示してとどまった父親への献辞のように聞こえる。朴氏が父親の叶えられなかった夢を完遂しようとする「大統領の娘」ではなく、「大統領朴槿恵」として職務を遂行してほしい。
朴湧(パク・ヨン)論説委員 parky@donga.com