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「原子単位の誤差も許されぬ」 半導体国家代表の意地

「原子単位の誤差も許されぬ」 半導体国家代表の意地

Posted March. 08, 2013 03:23,   

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「外資系企業に勤めながら、年収も多く受け取ったため、残りの人生はよりやりがいのある仕事をしたくなりました」

半導体計測装備メーカー「オロステクノロジー」のチェ・ホンリブ社長(54)は、09年、会社を立ち上げた理由についてこのように語った。6日、京畿華城市石隅洞(キョンギ・ファソンシ・ソクウドン)の同社の本社会議室で、創立当時を振り返ったチェ社長やイ・ヒョンイル常務の表情からは、悲壮感すら感じられた。

●海外企業が半導体装備を独占

知識経済部は、まだ年間売り上げが100億ウォンに止まっている同社を昨年、「次世代一流商品の生産企業」に選んだ。その背景やチェ社長などがかもし出した悲壮感をきちんと理解するためには、半導体計測装備の特性や国内半導体産業の現状についての説明を聞かなければならなかった。

一見すれば、韓国は製造のみ長けている「半導体大国」だ。世界最高の半導体生産国だが、いざ、半導体を造るのに欠かせない装備は、その大半が外国製品だ。特に、半導体回路が極めて微細化し、原子単位の精密性が求められる半導体計測装備の分野はなおさらそうだ。

一つ一つの装備部品まで世界トップレベルの超精密性が求められており、参入障壁はきわめて高い。薄い回路が入っている数十層の酸化膜が、歪むことなくきちんと積み上げられているかを検証する「オーバーレイ」分野の計測装備は、KLAテンコーという米会社が、世界市場シェアの99%を占めるほどだった。独占なため、当然鼻が高く、製品の値段も高かった。

チェ社長は、ほかならぬそのKLAテンコーの韓国支社長だった。氏はその後、また別の半導体計測装備会社である米ナノメトリクスの韓国支社長を経て、米本社の副社長を経験した。米会社にいる間も、できれば、韓国支社を育成したいと思い、生産・開発部門を国内に移すことを推進した。最大手の顧客会社である三星(サムスン)電子やハイニックス半導体(現在はSKハイニックス)の傍で装備を開発したほうがより効率が高い上、韓国の関連産業のレベルを引き上げたいという考えも働いた。

そのように2年ほど働き、成果が出始めたごろ、新たに就任した米本社の代表が、「生産や開発は全て本社のほうで取り仕切る」と、方針を変えた。チェ社長はこのときから、「自分で会社を立ち上げ、半導体計測装備の国産化を必ず遂げる」という欲望を膨らませてきた。

●「我々が半導体の国家代表だ」

10人足らずの人員で会社を立ち上げた時、周りの反応ははっきりと分かれた。「半導体計測装備の国産化は絶対必要だ」として投資する企業もあったが、「そのうち止めるだろう」と疑問を投げかける人たちもいた。正式に起業する前に開催した職員のワークショップでは、徹夜で会社のビジョンやモットーを作り上げた。「我々のライバル会社は国内にはない。世界でも1、2社しかできないことであり、我々が大韓民国の代表だ」という意志を燃やした。イ・ジュンウ常務は、「その時は、映画『国家代表』が公開された時でもあり、『会社のPR資料にも、あの映画のポスターをパロディした写真を入れた」と笑った。

韓国の半導体企業だからといって、ひたすら韓国下請会社を選んだりしない。計測装備は、半導体の「心臓」に当たる工程の重要装備だ。愛国心の通じない分野だ。「皆、『国産化はいいですね。やらなければならないことでしょう』と口にはするが、『あなたのラインに、うちの製品を取り入れましょう』と持ちかければ、二の足を踏むのが現状だ」と、イ・ヒョンイル常務は主張した。氏は、『一か八かの気持ちで、世界最高の品質を追い求めた』と付け加えた。

部品の納入メーカーが希望するレベルに追いつけず、挫折することもあったが、彼らは何とかして成し遂げた。11年6月、三星電子に初めてオーバーレイ計測装備「OL−300n」を納入した時、社屋でパーティーを開いた。周りに餅を配り、記念写真も撮った。2ヵ月後は、ハイニックスに装備を供給した。

チェ社長は、「オーバーレイ装備部門は、これからは急速に市場シェアを伸ばせるはずだ」とし、「今後3年間で、この部門でメジャー企業になるのが目標だ」と話した。ウェハーやインスペクション、膜の厚さの調整など、ほかの半導体計測装備部門でも、年末まで新製品を発売し、世界の市場規模が5兆ウォンもある半導体計測装備で、「韓国製」の名をとどろかせるのが、オロステクノロジーの夢だ。



tesomiom@donga.com