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北朝鮮テレビに30分間「太極旗」露出、背景に注目

北朝鮮テレビに30分間「太極旗」露出、背景に注目

Posted May. 22, 2013 03:19,   

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北朝鮮が全住民が視聴する朝鮮中央テレビに韓国の国旗である太極旗が映る場面が30分以上流し、その背景に関心が集まっている。北朝鮮メディアが意図的だと見られるほど長く太極旗を露出したのは史上初めて。

朝鮮中央テレビは20日、フランス・パリで前日に開催された卓球の世界選手権で北朝鮮の4・25体育団所属のキム・ヒョクボン−キム・ジョン組が韓国のイ・サンス−パクヨンスク組を破って金メダルを獲得した混合ダブルスの決勝戦を30分あまり録画中継した。このとき、北朝鮮はスコアボードに映し出されている北朝鮮国旗と太極旗の映像をそのまま放送した。かつて、国際大会で太極旗が映る場面があると、モザイクをかけて録画中継していた前例からすれば異例のことだ。

近い例では、2010年12月の第16回広州アジア大会で韓国と中国の女子バレーボールの決勝戦を録画中継していた北朝鮮は、スコアボードの中国国旗はそのまま流したが、太極旗だけはモザイクをかけて放送したことがある。

北朝鮮の今回のような太極旗の露出は、意図的なものと見られ注目される。北朝鮮は試合を放送しながら、独自で製作したスコアボードを使った。そこで「南朝鮮」と書かれた国名の横に太極旗のCGを挿入した。太極旗がなくても済むところに敢えて入れていることから、金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記の直接指示によるものである可能性が高い。金第1書記の真意が確認できない状態で、一般住民が見るテレビ画面に命がけで恣意的に太極旗を入れるよう指示できる人は、北朝鮮には誰もいないからだ。

北朝鮮のテレビ放送に太極旗がちらっとでも露出された例が全く無かったわけではない。南北間に和解ムードが高まっていた2002年、北朝鮮はサッカーの韓日ワールドカップで、韓国代表チームが4強に進出したときの試合を録画中継していたが、その際、ゴール裏に掲揚されていた太極旗がちらっと映ったことがある。だが、これは意図的だったものではなく、試合中継の中でやむを得ず編集できなかったために起こったアクシデントと見られる。

これまで北朝鮮は、住民たちに太極旗が知られるのを極端に厳しく規制してきた。北朝鮮高官出身の脱北者は、「北朝鮮がスポーツで南北統一チームを構成する際、韓半島旗にこだわる最大の理由は、住民たちに太極旗を見せたくないからだtった」と話した。

このため、北朝鮮で太極旗が分かる人は多くない。脱北者たちで作るネット新聞「ニューフォーカース」が昨年8月、脱北者100人を対象に実施したアンケートで、「北朝鮮にいるとき、太極旗を知っていたか」という設問に、回答者の84%が「全く知らなかった」と答えた。2000年以前の脱北者の中では「知っていた」と答えた人が1人もいなかった。「知っていた」と答えた16%も、隠密に韓国ドラマを見た経験があるか、一部の高官層出身だった。

今回、北朝鮮が太極旗をテレビで流したことは、韓国関連番組の放送としては画期的な変化だが、その裏に隠された真意を把握するのは容易でない。金第1書記が閉鎖的だった父親とは違うリーダーであることをアピールするために放送を指示した可能性が高いが、北朝鮮に韓流が広がり、これ以上物理的に抑え付けるのは無理だと判断した可能性もある。