姉、妹、娘など、家族の中で女性がいる男性はそうでない場合に比べ、慈善活動に対しより積極的で、他の社員にもやさしく接するという研究結果が相次ぎ目を引いている。米ペンシルバニア大学MBA専門ウォートン・スクールのアダム・グラント教授は最近、「なぜ男は女を必要とするのか」というニューヨーク・タイムズ記名コラムで、慈善活動に積極的なお金持ちや社員に寛大な最高経営者(CEO)は、家族の中で女性の影響を多く受けたと主張した。代表的なケースが、ビル・ゲイツ・マイクロソフト(MS)理事会会長だ。
ゲイツ会長は約20年前までも慈善活動に乗り出すように薦める周りの話をきっぱり断った。しかし、結婚と娘の誕生から考え方が変わり始め、1997年には慈善財団の「ビルアンドメリンダゲイツ財団」まで設立するに至った。
ニューヨークコロンビア大学のデイビッド・ロス経営学教授ら3人は、1万人以上の社員を抱えたデンマーク会社を対象に、約10年間の賃金変化を追跡調査した。その結果、息子を持ったCEOは賃金を削減した反面、娘を持ったCEOは給与を削らなかった。グラント教授は、「父親が娘の髪の毛をすいてあげたり、ダンス授業に一緒に出たりすることでより気持ちが優しくなり、他人に共感するようになる傾向は明らかにあるようだ」と話した。娘を持つ米国の議員は進歩的な法案により多くの賛成票を入れるという研究結果とも軌を一にすると、ロス教授は主張した。
オランダ自由大学心理学科のファウル・パン・ランガー教授は、約600人を対象にした興味深い調査結果を発表した。「あなたが25ドル、親が10ドルを持つ」(利己的選択)と「あなたが20ドル、親が30ドルを持つ」(利他的選択)の中からどちらかを選ぶ実験で、姉か妹を持つ男性は40%も多く後者を選ぶ、より利他的な選択をした。社会科学者らは女性の共感と養育方式が男性に影響を与えると信じている。女性は男性より公平に分かち合い、助けようとする性向が強い反面、男性は独り占めするか、完全に持たないといった極端な選択をするというのだ。
会社で女性の影響力を示す調査結果もあった。昨年、クリスチョン・デスジョ・メリーランド大学教授(経営学)ら2人が、1992年から06年まで米国企業を分析した結果、女性を高位役員陣に置いた企業がそうでない企業に比べ、更に平均1%経済的価値を創出したものと調査された。女性役員が社内の男性社員により寛大で、より多くの情報を共有するように薦めるリーダーシップを見せて、企業の実績にも肯定的な影響を与えていると、研究チームは分析した。