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スマホに泣かされたカーナビ、今度は「スマホのおかげで…」

スマホに泣かされたカーナビ、今度は「スマホのおかげで…」

Posted August. 02, 2013 03:12,   

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10年5月、SKテレコムは「Tマップ」というスマートフォン向けカーナビアプリ(応用プログラム)を無料で公開した。苦肉の策だった。ライバル会社のKTが、半年前の09年末からアップルの「アイフォン」を独占で販売し、スマートフォンのユーザーを総なめしていたからだ。Tマップは元々、「ネイトドライブ」という名でサービスされていた有料カーナビだが、通信網を利用してリアルタイムで交通情報を把握し、ドライバーに込んでいない道を案内してきた。SKテレコムからスマートフォンを購入すれば、無料サービスを行い、加入者を誘致してきたのだ。

このとばっちりは、予期しなかったところに飛ばされた。通信会社同士の誘致競争のせいで、中小企業が中心となった車両向けカーナビ市場が急激に萎縮し始めたのだ。地道に成長を遂げてきたカーナビトップメーカー・ティンクウェアの売上げが減少に転じたのも、この年からだった。消費者らは、カーナビの代わりにスマートフォンをガラス窓に取り付けた走り回った。10年、2000億ウォンを超えていたティンクウェアのカーナビ機器の売上げは、12年は1131億ウォンと半減した。同期間、営業利益率も11.4%から2.8%へと下がった。

●苦労するアイナビ

一時、韓国のカーナビ機器は、世界最高のレベルだった。毎月、道路状況を反映して地図が更新され、3次元(3D)立体映像化まで活用して、道路の案内を行ったためだ。このようなことを手がけている会社は、すべて中小企業各社だった。「アイナビ」のティンクウェアや「マップフィ」を生産しているエムアンドソフト、「ファインドライブ」で有名なファインデジタルなどが成功事例だった。

しかし、スマートフォン時代が切り開かれ、カーナビ市場も変わってきた。リアルタイムの交通情報を持っている企業各社が、無料攻勢に乗り出したためだ。スマートフォンユーザーの位置情報を把握しているSKテレコムなどの通信会社やグーグルなどのインターネット会社が代表的だ。海外ではグーグルが無料で道案内を提供したことを受け、ガーミンやトムトムなど、時価総額が10兆ウォンを超えるグローバルカーナビ会社も、株価が暴落した。

ティンクウェアは、ブラックボックスで活路を求めている。運転過程を映像で記録・保存し、事故が起きれば、これを再生して過ちを見分けるブラックボックスは、難しい製造技術は必要なく、参入障壁は低いが、事故が起きたときに使われるので、信頼性が重要だった。アイナビというカーナビトップブランドが役に立った。カーナビの売上げが半減する間、ブラックボックスの売上げは18倍も伸びた。

●カーナビのソフトウェアだけで、年間80億ウォンを稼ぐ

問題は、カーナビ機器とブラックボックス共に競争が激しく、利益率が高くないことだった。活路は、逆説的に、会社を困難に陥れるきっかけとなったスマートフォンから探すことになった。ティンクウェアは、アイナビのカーナビアプリを、10年9月に発売された三星(サムスン)の初のタブレットPC「ギャラクシータブ」に基本仕様として設置し、続いて、ギャラクシーS2とギャラクシーノートなどにもアイナビを供給した。1年間は無料で使い、1年後からは有料に転換するやり方だった。このような形で、ソフトウェアで稼いだ金は、毎年80億ウォンを超えている。

ティンクウェアのクォン・ヒョンウン広報チーム長は、「売上げの絶対的金額は大きくないが、ソフトウェアの販売は、コストがほとんどかからず、利益に大きく貢献している」と主張した。同社の昨年の営業利益は、51億ウォン過ぎなかった。クォン・チーム長は、「ブラックボックスや埋め込み型カーナビ機器も、いつかは頭打ちの状態になるだろうと見込み、最近は、タブレットPCの製造にも乗り出している」と話した。同社は先月、トルコ政府に、計6万台のタブレットPCを供給する契約も交わした。