日本の村山富市元首相は19日、東亜(トンア)日報とのインタビューで、日本軍従軍慰安婦問題と関連して、「(日本政府が)まず河野談話を肯定しなければならない」と述べた。村山氏は、慰安婦問題について、日韓両国政府が責任を持って話し合い、いかなる方法であれ結論を下すことが重要だと強調した。安倍晋三首相が今月15日に開かれた「戦没者追悼式」で歴代首相とは違い、韓国、中国などアジア諸国への植民支配と侵略に対する反省や謝罪を述べなかった点も批判した。
「河野談話」とは、1993年8月4日、宮沢喜一内閣の河野洋平官房長官が日本軍の慰安婦強制動員を認めて被害者に謝罪したものだ。当時、河野官房長官は、「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」と認めた。首相在任時代の1995年8月15日、日本の植民地支配とアジア侵略を反省して謝罪した「村山談話」を発表した村山氏が、「日本軍が慰安婦を強制的に連行した直接的な証拠はない」と言って事実上、河野談話を否定する安倍首相の態度を厳しく非難したのだ。
安倍首相は来月、米ニューヨークで開かれる国連総会で、国連女性機関が紛争地における性暴力被害者を支援する基金に日本政府が資本拠出することを演説する予定だ。安倍首相の国連総会演説は、日本軍慰安婦問題で世界で日本に対する非難が広がることへの対策とみえる。村山談話や河野談話が出された約20年前までは、慰安婦問題は主に韓国をはじめとする被害当事国との問題だったが、今は全世界で普遍的人権の問題として浮上している。日本軍が慰安婦を強制動員したという歴史的事実を否定し、他国の性暴力被害女性を支援するという発想が国際社会で通用するだろうか。
韓国と日本は、自由民主主義と市場経済という価値を共有しており、外交や経済などの様々な分野で協力することが両国の国益に役立つ。韓国が日本国内の動きで一つ一つ対立するよりも、時には大様に対応する必要もある。しかし、今のように日本が侵略の歴史に背を向け、被害者の傷口に塩を塗る方向に暴走するなら、真の友好協力関係の構築は期待できない。日本が慰安婦問題をはじめとする歴史に対して心から過ちを認めて謝罪をすることは、窮極的に日本のためにも役立つということを悟らなければならない。