童話の中の継母は何時も邪悪だった。「コンジパッチ」のパッチの母、「シンデレラ」の継母は、自分の娘には綺麗な服を着せ、祭り(あるいは舞踏会)に連れて行き、前妻の娘には、きつい仕事のみやらせた。古典小説「チャンファホンリョン伝」のホ氏は、チャンファに対し赤ちゃんを下ろしたという濡れ衣を着せ、ホンリョンは悔しさに耐えられず死んでしまった。
◆実際、1768年、英祖(ヨンジョ)44年、全羅道康津(チョンラド・カンジン)で、ベク・ピルランとピルエ姉妹の自殺事件が起きた。継母のナ氏の苛めのためだという批判が広まり、結局、ナ氏は処罰を受けた。ところが1801年、この事件に接した丁若饁(チョン・ヤクヨン)の判断は異なった。「継母は(必ず)前妻の子供らをいじめるという世間の偏見には問題がある」と見たのだ。シンデレラ類の伝説は、世界でも500件を超える。非情だが、娘が逆境を乗り越え、成熟するよう率いることから、継母は、母親のもう一つの属性を象徴しているという見方もある。
◆最近、8歳の子供を虐待し、殺した継母らは、別の解釈など必要なさそうだ。24日に死亡した蔚山(ウルサン)の小学校2年生のLさんにとって、その日は遠足の日だった。継母は、「2000ウォンを盗んだのにうそをついている」と、朝からLさんを殴った。解剖の結果、24本の肋骨のうち、16本が折れていた。2ヵ月前にソウルで死亡した8歳の男の子は、病院に行ってきた継母に、大丈夫かと聞かなかったことを理由に、殴られた。実の父親と継母は、マッサージ器やゴルフクラブで、頻繁に息子に暴行を加えた。
◆統計を見れば、児童虐待は、継母より実の父親のほうが一際多い。中央自動保護専門機関の12年の調査からも、全体の6403件のうち、実の父親による虐待は47.1%、産みの母親は32.6%、継母は2.4%、継父は1.2%だった。このような事件は、再婚家庭が増え、前妻の子供らの心をつかむために気をもんでいる数多い優しい継母らを悲しませるだろう。蔚山の現場検証で、隣人の母親らは、「何年もどんなにつらかっただろうか…」、「その子は、足を骨折したことがある」と泣きながら怒りを露にした。人でなしは、両親であっても厳罰にすべきだ。児童虐待通報電話は、1577−1391まで。
金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com