最近、20代の「アイドル」スターらと頻繁に会っている。
6日に公開した映画「同窓生」の主人公は、グループ・ビックバンのチェ・スンヒョン(トップ)。映画で、目で語るスパイの役を演じた。重みのある彼の演技は注目に値する。あってみたら、チェ・スンヒョンは、映画の中の人物のように慎重な雰囲気の青年だった。口数は少ないが、記者の質問を正確に理解し、「適切に」答えた。適切だという言葉は、映画PRのために、記事の種になる言葉は口にしながらも、本人のイメージに悪影響を与える内容は避ける老練さを意味する。ぎらぎらする目や気難しいイメージのため、先入観を持っていた記者は、彼を見直すようになった。
グループ・エムブラックのイ・ジュンは先月、釜山(プサン)国際映画祭で会った。「俳優は俳優だ」の中で、無名からトップスターへ、そして再び奈落に陥るメリハリの富んだ人生を演じた。今年で25歳であり、今回が初の主演だ。しかし、イ・ジュンの演技は高い点数をつけるに十分だった。「アイドルも演技がうまいな」という気がした。同じ物語を盛り込んだ映画「トップスター」の39歳の俳優、オム・テウンに比べても引けをとらなかった。
フライドチキンとビールで会話する間、イ・ジュンは堂々としていた。韓国芸術総合学校・舞踊科を中退し、歌手に乗り出した人生歴史と演技に臨む真剣な姿勢が印象的だった。「胸は熱いが、考えはバランスが取れている」。
先月公開した「カンチョリ」のユ・アインは口達者だった。彼は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)に社会的話題への自分の意見をはっきりと示している。インタビューでは、「自分を省み、理解の壁を崩すのが、役者という職業の強みだと思う」、「階段を上がるほど、人たちの批判が減っていく。客観化し、冷静にならなければ、成長は難しいような気がする」などの言葉を口にした。その瞬間、こんな気がした。「私は20代の時に、ユ・アインほど堂々としていて論理的だっただろうか?」
「がんばります」、「大目に見てください」、「至らないものですが、努力します」。かつての芸能人らがインタビューの時、主に口にしていた言葉だ。最近のアイドルと比べれば、隔世の感がある。
最近のアイドルは、身長が高く容姿が優れている。話術もうまい。人に接するマナーもよく訓練されている。マネジメント会社では、小さい時からトレーニングを行っている。しかし、所属事務所の教育だけで、彼らが即興的な状況でうまく意見を述べるのは容易なことではない。
記者の考えでは、アイドルの「レベル」が高まった理由は、優秀な資源が最近、芸能界に集まっているからだ。「演技ドル」と呼ばれるイ・ジェフンとソン・ジュンギは名門大学に通った。男性らにとっても、芸能人はよい職業になった時代だ。
「88万ウォン世代」や「余剰世代」と呼ばれる彼らが、社会で高い職業的地位を手にできなくなったことも、芸能界に若者が集まる理由でもある。既存の世代から経済や政治的領域を奪うより、割合参入壁の高くない文化領域を攻略しているのではないか?レベルの高いアイドルの登場を、手放しで喜べないのは、果たして記者だけなのだろうか?