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[オピニオン]「ツァーリ」プーチン大統領の訪韓

[オピニオン]「ツァーリ」プーチン大統領の訪韓

Posted November. 12, 2013 03:37,   

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今日から始まるロシアのプーチン大統領の訪韓は、形式と時期の点で格別だ。韓国の新大統領就任後、4強首脳の中でロシア指導者が最初に訪韓するのは初めて。韓国と北朝鮮の等距離外交を標榜してきたプーチン大統領が、平壌(ピョンヤン)ではなくソウルを先に訪れることも異例だ。ロシアから見れば、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が米国に続き中国を訪問し、伝統的な米国→日本→中国の順番を破ったことと同様に通常のことではない。

◆プーチン大統領は「現代版ツァーリ」と呼ばれている。2000年から2008年、2期連続で政権に就き、昨年3回目の政権に返り咲いた。改憲で任期が6年に増えたので、2018年まで任務に就く。プーチン大統領は、独裁者という否定的な評価をかえりみず、ロシア帝国の復活を夢見て、権威主義的統治もはばからない。対外政策も強硬で、米ロ関係は冷戦後最悪になったが、シリア化学兵器の廃棄合意を引き出し、ロシアの地位を高めた。プーチン大統領は、米経済誌フォーブスの「今年世界で最も影響力のある人物」でオバマ大統領を抜いて1位になった。

◆プーチン大統領は韓半島問題にも関心が高い。2000年には平壌を訪問して金正日(キム・ジョンイル)総書記から長距離ミサイル試験発射の猶予(モラトリアム)を引き出した。そのため、ロシアではプーチン大統領がソウルに来る前に平壌を訪れ、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記に会うと推測された。プーチン大統領の「韓国訪問優先」は、金第1書記の核と経済の「並進政策」に対する拒否と見ることもできる。プーチン大統領がソウルで北朝鮮に対して何を発言するかも関心事だ。

◆プーチン大統領は政権1、2期の時、年平均7%の成長を成し遂げた。しかし、石油価格の下落と改革不振で、現在ロシア経済は低迷している。今年の成長率は1.8%にとどまり、2020年までに国内総生産(GDP)を世界5位に引き上げるというプーチン大統領の計画に暗雲が立ち込めている。ロシアは、韓国との協力拡大を経済回復の突破口にしようと考えている。朴大統領の「ユーラシア・イニシアチブ」もロシアの支持があってこそ可能性が高まる。プーチン大統領の訪韓は、経済的実利と対北朝鮮国際協力を拡大する絶好の機会だ。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com