Go to contents

「全斗煥プレミアム」

Posted December. 20, 2013 04:29,   

한국어

クリスティとサザビーのような世界的な競売会社は、競売図録に「プロヴィナンス」を明らかにする。プロヴィナンスとは美術作品の由来や出処を意味する言葉で、どんな所蔵ルートを経てきたのかを示す「作品の履歴書」のようなものだ。作品の価値を評価するのに重要な役割を果たす。有名コレクターが所蔵した作品なら価値が上がり、反対にプロヴィナンスが不透明なら競売に出すことは難しい。

◆「私の名前はチャールズ・サーチ。私は芸術に狂った」。英国の広告代理店創業者のチャールズ・サーチが2009年に出した本のタイトルだ。サーチは、ダミアン・ハーストを一躍世界的なスターにした現代美術の貢献者だ。1990年代に入り、サーチがyBA(若い英国美術家=young british artists)という名前で紹介したハーストをはじめ新進の美術家は、国際美術界のそうそうたる美術家に浮上した。現代版メディチなのか投機屋なのか評価は分かれるが、優れた見識が認められ、サーチコレクションに入ることを夢見る無名の美術家も多い。

◆韓国の昔の書画を見ると、所蔵した人の印が押されている場合もある。所蔵印を見ると、作品がどんな所蔵家の手にあったのかその旅程が分かる。見識の高いコレクターの所蔵印が押されてあれば、作品の価値も高まる。現代美術部門では、リウム美術館の洪羅喜(ホン・ラヒ)館長が最も影響力のある人物とされる。画廊のオーナーは洪氏が展示場に現われると喜ぶ。洪氏が展示に来たり作品を買ったといううわさが美術家の認知度の向上に貢献すると信じるからだ。

◆全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の追徴金返還のための全氏一家のコレクションの特別競売が11日にケイオークション、18日にソウルオークションで行なわれ、完売した。2社のオフライン競売で売れた201点の落札総額は53億4000万ウォン。2008年以降、低迷していた美術市場を考えると、「全氏一家の所蔵品」というプレミアムが作用したと評価されている。全氏一家の美術品が税金還収という1次目標を越えて市場が蘇る起爆剤になるだろうか。

高米錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com