芸能人だけに「熱烈なファン」があるのでゃない。情報通信技術（ＩＣＴ）界にも、特定メーカーや製品への熱烈なファン、または「アンチファン」が多い。米ビジネス雑誌・フォーブスは、数年前、ＩＣＴ界の「熱烈なファンの上位５位」というタイトルの記事を載せた。１位から５位までを順序どおり並べれば、アップルの熱烈ファン、マイクロソフト（ＭＳ）のアンチ、グーグルのアンチ、リヌクスの熱烈ファン、ファイヤーフォックスの熱烈ファンだ。たとえば、アップルの熱烈ファンは、「ｉ」で始まる名の製品（アイポット、アイフォン、アイパッド）なら、何でも好きになる。
◆驚くべきことは、２、４、５位はともに、「ＭＳを嫌う集団」だという。ＭＳアンチは、ＭＳの運営体制（ＯＳ）であるウィンドウズの独占に反対し、ネット上で無料で提供されるＯＳリヌクスを支持する。いわば、オープンソース（無料で公開されるソフトウェアやソースコード）主義者らだ。ファイヤーフォックスの熱烈ファンは、ＭＳウェブブラウザーインターネットエクスプロラー（ＩＥ）の独占を拒否し、代替材のファイヤーフォックスを支持する。
◆韓国市場でのＭＳの独占度はとりわけ高い。世界のＯＳ市場で、ウィンドウズのシェアは８９．５％だが、韓国では９７．７％だ。ＭＳが、来年４月８日から、「ウィンドウズＸＰ」を巡るセキュリティ支援を中止する予定だ。ウィンドウズＸＰの欠陥が見つかるたびに行われてきた補完パッチの提供が打ち切られるのだ。そうなれば、ウィンドウズＸＰを使う国内の８００万台以上のＰＣが、無防備な状態に置かれることになる。国内外のハッカーらはこの日を「Ｄデー」と決めているという。個人情報の盗難や企業機密の流出が急増する見通しだ。
◆災難を避けるためには、ＯＳを取り替えなければならないが、新製品「ウィンドウズ８」は、一般向けが１７万２０００ウォン、学生割引が７万５０００ウォンと、負担が少なくない。さらに、ウィンドウズＸＰの場合、コンピューター中央処理装置（ＣＰＵ）が、３００ＭＨｚ以上なら問題ないが、ウィンドウズ８は、１ＧＨｚ以上必要だ。最初から高い仕様にコンピューターを取り替えなければならないケースが多く、コンピューターメーカー各社が、後ろのほうで微笑んでいる。もし、ＭＳが独占的立場にいなかったら、このような波紋を招く決定は、勝手にしなかっただろう。
虛承虎（ホ・スンホ）論説委員 tigera@donga.com
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