開業医からなる大韓医師協会・非常対策委員会(非対委)が今日から1泊2日間、「医療制度の立て直しに向けた全国医師のゼネストの出陣式」に突入する。非対委は、来週中に1日を選んで、「午後の休診闘争」を繰り広げ、政府が、営利子法人や遠隔診療許容政策を変えない限り、ゼネストに突入するという計画を明らかにした。医師らは、政府方針は国民の健康を害する恐れがあると主張しているが、実施は、医師らの既得権を守るための反対闘争だ。
病院が、宿泊施設などの子会社を設立できるようにしたのは、医療観光の活性化のためだ。これを、医療公共性の放棄とはみなせない。遠隔診療は、わが国が世界的情報通信技術(ICT)国として、最適の環境を整えたという評価を受ける分野だ。離島や山間地域など、限られた分野での遠隔診療の許容は、患者の不便を解消し、医療分野で堅く閉じられている規制のかんぬきに、そっと触ることに過ぎない。そのため、全国の開業医らがストを行えば、どの国民が共感を示すだろうか。鉄道ストより、一段と激しく悪口を言われるだろう。
朴槿恵(パク・クンへ)大統領が、新年の記者会見で触れたように、サービス規制の打破は、雇用創出や国民所得4万ドル時代に向かう対策だ。特に、内需を活性化させ、高級雇用を増やすためには、医療サービス分野の規制打破は欠かせない。街中病院が経営に苦しむ根本的理由は、歪曲された報酬体系のためだ。患者を診療すればするほど、損をする状況の中で、医師倫理だけ強調しながら、診療に専念すべきだと主張するのは難しい。政府は、このような現実を知りながら、保険料引き上げを招くことを理由に、長い間、報酬引き上げに背を向けてきた。政府や専門家、利害関係者らが十分な議論で合意すれば、国民もある程度の負担増加は覚悟する必要がある。歪曲された医療構造の被害者は、医師ではなく、結局は医療消費者の国民であるからだ。
今回の事案を、鉄道ストの時のように、「民営化フレーム」に決め付けようとする民主党の態度は、堂々としたものではない。民主党のキム・ハンギル代表は昨日、最高委員会議で、「医療民営化は、医療費の上昇へとつながるだろう」とし、朴槿恵政府が医療の公共性を放棄するかのように、国民をミスリードした。健康保険や受給指定制度が存在する限り、医療民営化などありえない。