ミュージカル「マンマミーア」は、ミュージカル史上初めて女性が作り出した作品だ。ミュージカルに登場する３人の主人公、ドナ、ターニャ、ロージーのように「マンマミーア」の誕生にも同い年の女性３人が関与した。プロデューサーのジュディ・クレイマーは、スウェーデンの伝説的なポップグループ「アバ」のヒット曲でミュージカルを作ることを決め、英国劇作家賞に輝く作家のキャサリン・ジョンソン、オペラと演劇に豊富な経験を持つ演出家のフィリダ・ロイドを引き込んだ。彼女たちは結局「すごいこと」を成し遂げた。
◆１９９９年、英国ウェストエンドで初演されたマンマミーアは、１５年の公演期間中に５４００万人が観覧し、２０億ドル（２兆１２２６億ウォン）のチケット販売実績を上げた。約４００の主要都市で舞台化され、ミュージカル史上、最も速く世界へ広がった。０８年にはメリル・ストリープ、ピアース・ブロスナン、アマンダ・サイフリッド主演のミュージカル映画として作られて大ヒットした。映画の売上額だけで６億ドル（６３７８億ウォン）を越える。
◆マンマミーアは韓国の公演界でも里程標になった作品だ。ミュージカルの舞台とは程遠かった中年層を劇場に引き入れることに成功し、ミュージカルの大衆化に貢献した。０４年１月、ソウルの芸術の殿堂で初演された公演に観客は熱烈な反応を送った。カラオケのマイクも嫌がっていた母親観客がうきうきして肩をゆすり、「ダンシング・クィーン」の歌が出るごろには、女子中高生にもなったように「ダンスモード」に突入した。
◆マンマミーアが２５日で韓国公演１０周年を迎える。ここ１０年間、全国３３の都市で１７１万人が観覧、計１２８７回公演、１０７０億ウォンの売上の興行記録を立てた。１０周年を記念して現在このミュージカルのオリジナル公演チームが来韓公演を行っている。これまで韓国は「ミュージカル消費大国」に発展したが、マンマミーアのような世界を揺るがす創作ミュージカルは出せずにいる。英国でマンマミーアが誕生できたのは、文化コンテンツ事業に積極的な政府政策のおかげだった。創造経済を語るとき、よく情報通信技術（ＩＣＴ）に触れる。しかし、創造の基盤はコンテンツであることをマンマミーアが見せてくれている。
鄭星姫（チョン・ソンヒ）論説委員 shchung@donga.com
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