中国の最大名節である春節(中国の正月)を迎え、14億人の人口が大移動するため、新種の鳥インフルエンザ(AI・H7N9型)の拡散が憂慮されている。特に今年に入って発生した新種AIの患者が140人を上回るなど感染者が増加が早く、保健当局は非常事態となった。
新種AI発生の現況に関する公式統計が適宜に出ていないが、28日、中国メディアを総合すると、今年に入って27日までに中国全域で149人の新種AI患者が発生し、31人が死亡した。特に、△浙江省49人、△上海市33人、△江蘇省24人、△広東省26人など長江の流域や南部地域に集中した。このほかに、△福建省10人、△河南省3人、△安徽省3人、△北京1人など広範囲で感染患者が出ており、感染地域が次第に拡大する傾向にある。
世界保健機関(WHO)が20日に報告書で、今年に入って中国で確認された新種AI確定の患者が40人を超えたと発表した点から、わずか10日間で感染患者が3倍以上急増したことになる。専門家たちは、AI患者の発生速度が昨年の最高水準に達したと伝えた。WHOは昨年春、上海地域で新種AIが初めて報告されて以降、中国本土だけで246人の感染患者が発生し、このうち56人が死亡したと集計した。
特に、家禽類の消費が大幅に増えたほか、大規模な人口が移動する春節の連休(1月31日〜2月6日)を過ぎれば、感染患者がさらに増えると憂慮されている。「医者が新種AIに感染して死亡した」というデマまで流れ、山西省公安は28日、デマを流した人物を逮捕した。
国家衛生計画生育委員会(国家衛生委)も不安を静めるために乗り出した。国家衛生委は最近発表した「2014年人体感染H7N9型鳥インフルエンザの診察および診療方法」で、H7N9型AIの感染力はそれほど強くなく、主に鳥類から人に感染し、人と人との感染は非常に珍しい」と強調した。また、新種AIの潜伏期間は3、4日で、家禽類や患者に接触した人は4日間発熱やせきなどの症状が出なければ問題ないと指摘した。潜伏期の観察期間を昨年の7日から短縮したのだ。さらに防疫も強化している。最近、上海、浙江省、杭州、広東省、深センなどで、家禽類の売買がしばらく禁止・制限された。
一方、香港も新種AIで非常事態となった。香港特別行政区は、香港内の最大家禽類市場である長沙湾卸売市場の家禽類販売を3週間禁止したと、香港のサウスチャイナ・モーニングポストが28日付で伝えた。また、この市場で販売されていた鶏2万羽の処分を計画している。長沙湾市場の商人たちは、正月の商売が台無しだと、27日夜、トラックに鶏を積んで政府庁舎で抗議デモを行った。