午年の新年、カレンダをめくりながら、皆さんはどんな表情を浮かべただろうか?毎年、新年のカレンダーを手にすれば、厳しい目つきで、公休日や連休の分布から目を通す人たちも大勢いるだろう。主な公休日や祝日の日付が、どのように週末とうまくつながっているかによって、悲喜こもごもである。今年はおおむね、満足の笑みを浮かべただろう。12年ぶりに公休日の日数が最も多いという「黄金の午年」だからだ。
案の定、旅行業界は年明けから、めまぐるしく回っている。年明けから、5月と6月以降の主要海外航空路線は、早期予約の需要でにぎわっている。香港や台湾などの近距離だけでなく、フランス・パリなどの長距離路線の予約ムードも盛り上がっている。連休前後に1日か2日の年次休暇をつけて、長い旅行を計画している人たちのためだ。アーリーバード族を狙ったプロモーションの多い旅行業界の特性上、休暇計画は早めに立てるほど、さまざまな面で有利だ。
しかし残念なことに、このような贅沢はみなが享受できるものではない。いや、実は依然、多くの人たちにとって、連休の前後に年次休暇をつけて、長い休暇を取るのは、夢のようなことだ。今のところ、退社時間のことで上司の機嫌を伺うのも大変なのに、数ヵ月後の休暇計画について細かく立てること、連休にあわせて追加で年次休暇まで使うつもりで、予め「決めて」おくことなど、並大抵の勇気でできることではない。
昨年、大韓商工会議所が韓国国内企業300社を対象に行った調査によると、年次休暇使用促進制がきちんと使われたのは、25%に過ぎなかった。使うべき年次休暇すらきちんと使えなかった理由は、「過度な業務」や「代替人員の不足」、「上司への気兼ね」、「職場の雰囲気」などのためだった。
巨大な群れを成す渡り鳥の群れのように、7月と8月に集中する「韓国人の休暇ミステリー」は、このような文化から派生したものだ。民族大移動は、真夏の最盛期にも起きる。韓国人の休暇は、依然、過度な機嫌伺や若干の罪悪感が入り混じった消極的な形で成り立っている。オンライン旅行会社・エクスペディアの最近のアンケートで、韓国人の1年間の休暇日は10日間と、世界で最下位だった。それすら実際に使う休暇は、7日ほどに止まった。仕事のために休暇を遅らせたり、キャンセルしたことがあるという回答率は65%と、世界平均(43%)より高く、休暇使用を巡る上司の協力は最下位だった。
最盛期に限られた期間に「たった一度」使う休暇では、与えられた年次休暇すら、適時に使い果たすことなど難しい。年末のたびに、企業各社が年次休暇消化問題のため、頭を悩ませている理由でもある。しかし、最高決定権者が特別な意思を持って、休暇政策を変えた一部の企業を除く、ほかの企業での硬直した労働文化の変化は極めて遅い。年中常時休暇は、観光産業などの内需の活性化にも役立ち、長期的には生産性向上にも役立つことになる。
創造的発想が何時になく強調されているこの時期、休暇問題においても、斬新なパラダイムの転換が必要ではないか。真夏のたびに繰り返される韓国人の休暇ミステリーが、「黄金の午年」には、解決の糸口を見つけ出してほしい。