中国とのサービス協定の締結に反対し、先月18日から、台湾立法院を占拠し、デモを行っている学生団体が、今後立法院で「リレー」の形で、立てこもりを行うと宣言した。先月30日、台北で学生デモ隊は、「黒いシャツ」をまとってデモを行うと、これに反対する一部の団体が、「白いシャツ」を着て立ち向かい、「白黒シャツのデモ対決」の様子も見せている。学生のデモが2週間も続き、両岸(中国と台湾)の交流にも、次々と支障が生じている。
先月30日、台北総統部前の通りである凱達格蘭大道前通りなどには、警察の試算で11万6000人(主催側は50万人を主張)の学生や市民が集まった。彼らは、密室での交渉に反対するという意味で、黒系の服を着て、「サービス貿易協定反対」、「馬英九総統退陣」などの掛け声を叫びながらデモを行った。同日のデモには、南部の台南から、大型バス65台が動員されるなど、全国からデモ隊が台北に集結した。海外16ヶ国、49の都市でも同調するデモが行われたと、香港の明報が、31日付で報じた。
同日、台北のバスターミナルなどでは、公民正義連盟などの団体の呼びかけで集まった数千人が、白いシャツを着たまま、「国会を返してほしい、民主を守りましょう」などの掛け声を叫びながら、「カウンターデモ」を繰り広げた。彼らは一時、中山南路などで、「黒いシャツ」のデモ隊と対峙したが、警察が食い止め、衝突は起きなかった。連盟の呼びかけ人であり、中華民国社会サービス協会理事長でもある張健萍氏は、「代議制を通じて、問題を解決すべきだ」とし、「町でのデモは、20、30年前のやり方だ」と批判した。
一方、31日から台湾を訪問する予定だった福建省の尤權党書記などの日程が、学生デモの影響でキャンセルとなった。彼らは、政権党国民党の吳伯雄名誉主席を表敬訪問し、高雄などを訪問する予定だった。これに先立って、中国国務院台湾事務弁工室の張志軍主任の訪問日程も、学生のデモのため、暫定延期となった。