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オバマ大統領の訪韓と北朝鮮の核実験

Posted April. 26, 2014 03:00,   

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セウォル号沈没は実に残念だ。その様子は日本でも大々的に報道され、犠牲者に対する同情が寄せられている。しかし、このような悲惨な事態にもかかわらず、北東アジアの国際政治は急速に進展している。23日、オバマ大統領が日本を国賓訪問した。24日の首脳会談の後、オバマ大統領は尖閣諸島が日米安保条約の適用範囲に入ると明らかにした。安倍晋三首相は、環太平洋経済パートナー協定(TPP)の日米交渉に非常に前向きだった。

それだけではない。オバマ大統領の韓国訪問に合わせて北朝鮮が4度目の核実験を実施する観測が急浮上している。25日は北朝鮮人民軍創建記念日だ。

韓国国防部は22日、定例記者会見で、北朝鮮北東の豊渓里(プンゲリ)の核実験場で坑道に覆いが設置され車両の動きが活発になるなど「多くの動きがある」と指摘した。北朝鮮が「短期間内に奇襲的に核実験をする可能性がある」と指摘した。

半信半疑ではあるが、約1ヵ月前に北朝鮮が中距離ミサイル「ノドン」を発射し、国連安全保障理事会がそれを非難する「報道機関用談話」を発表したことが思い出される。その時、北朝鮮外務省は、「核抑止力を一層強化するために、新しい形の核実験も排除できない」と声明を発表した。

最悪の事態に備えて、23日に朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は中国の習近平国家主席と電話会談を行い、北朝鮮の核実験阻止について話し合った。習主席は、「韓半島の緊張高揚を阻止することは中韓両国の利益に合致する」と強調した。韓中が協力して北朝鮮に事前警告したことの意味は小さくない。

むろん韓国国防部は北朝鮮が核実験を偽装する可能性も排除していない。昨年2月の3度目の核実験の前は北朝鮮国防委員会、党中央軍事委員会、人民軍最高司令部が前面に出て、核実験後に瀬戸際戦術を展開した。それに比べて今回の核騒動は北朝鮮外務省が単独で行っている。

もし4度目の核実験に踏み切れば、その結果しだいで北朝鮮は重大な事態に直面することになるだろう。すでに金融規制が拡大し、禁輸物資の運搬が疑われる船舶に対する貨物検査が義務づけられている。今回はそれ以上の厳しい措置が下されることは間違いない。

また、南北対話と日朝協議が断絶するだけでなく、6者協議と米朝交渉も不可能になる。それ以上に深刻なのは中朝関係の悪化だろう。中国との経済交流が縮小し経済協力が途絶えれば、北朝鮮の経済復興は不可能になる。そうなると経済建設と核兵器建設の並立路線も挫折せざるを得ない。

それだけでなく中国は北朝鮮に対して「韓国カード」を使うかも知れない。日中、韓日関係に加え、中朝関係まで悪化する中、習主席が韓国を訪問すればそれだけで北東アジアの戦略的環境は変化する。韓米日の利害得失を計算することは複雑だが、北朝鮮としては大きな損失だ。

このように推論してみると北朝鮮の核実験は自殺行為だ。にもかかわらず金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記が核実験を強行するなら、それはオバマ大統領の韓国訪問に打撃を与えるためだろう。韓米連合軍事演習が定期的に実施され、オバマ政権の「戦略的忍耐」が続くことへの苛立ちだ。

核実験が招く途方もない結果から見て、4度目の核実験は金第1書記の経験不足による危険な冒険主義と見ることができる。国防委員会副委員長を務めた張成沢(チャン・ソンテク)氏が粛清され、その妻の金敬姫(キム・ギョンヒ)氏の姿が見えなくなり、北朝鮮にはもはや金第1書記の暴走を止める人がいない。