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[社説]セウォル号を政治扇動に悪用する勢力

[社説]セウォル号を政治扇動に悪用する勢力

Posted May. 10, 2014 07:39,   

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9日夕方、ソウル清渓(チョンゲ)広場で、「セウォル号惨事市民ろうそく円卓会議」が主催した大規模ろうそく集会が行われた。セウォル号犠牲者の追悼と早急な救助と真相究明の要求が大義名分だが、実際はセウォル号事件を反政府闘争に拡大させようとする発言がほとんどだった。円卓会議は、憲法裁判所に政党解散の審判が請求された統合進歩党(統進党)のソウル市党と大法院が利敵団体と規定した祖国統一汎民主連合韓国側本部など9団体が最近作ったソウル進歩連帯などが主軸になっている。大韓民国のアイデンティティを揺るがそうとしてきた集団と言っても過言ではない。

8日、ソウルでは正しい教育に向けた全国父兄会と監理教神学大学都市貧民宣教会、光州(クァンジュ)では光州進歩連帯、仁川(インチョン)では仁川社会福祉連帯など13の市民社会団体が主催した集会が開かれた。今週末にも、全国的にこのような集会が多数予定されている。「お母さんの黄色いハンカチ」というサイトの会員たちは5日、京畿道安山(キョンギド・アンサン)のセウォル号死亡者政府合同焼香所を訪れ、「朴槿恵(パク・クンヘ)大統領、責任を負え」と書かれたプラカードを持って行進した。「大統領に問題があるなら引き出さなければならない」と言った同サイトの共同代表チョン氏は、統進党安山市檀園区(ダンウォンク)の地域委員会所属党員だ。純粋な追悼の会と見ることはできない。

オンライン空間では、一部の知識人と進歩左派市民社会団体が露骨に政権退陣運動を扇動している。旧民主党の代表を務めた文盛瑾(ムン・ソングン)氏は、「統治スタイル『朴正熙(パク・チョンヒ)2.0』は破産した」とツイッターに書き込んだ。ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)には、「朴槿恵大統領退陣」を求めた金容沃(キム・ヨンオク)韓神(ハンシン)大学客員教授のメディアへの寄稿文が、「街頭に出よ」という扇動文句とともに流れている。ネットのポータルサイト「ダウム・アゴラ」では、大統領の退陣を求める請願運動まで起こっている。

全国教職員労働組合(全教組)は、セウォル号沈没で犠牲になった檀園高校生徒たちを過去の権威主義政権時代の民主化運動で死亡した金朱烈(キム・ジュヨル)、朴鍾哲(パク・ジョンチョル)氏に例える動画を公式ホームページに掲載した。「悲劇的な大事故と独裁政権の弾圧がどうして同じと言えるのか」という非難を受けたが、全教組は「現政権責任論は社会の他の部門でも提起される公論化された国民感情だ」とし、撤回を拒否した。彼らはホームページの公示事項に、「組合員は行動せよ」とろうそく集会への参加を促している。2008年、問題のない米国産牛肉を狂牛病牛肉に変身させ、3ヵ月以上政権退陣運動をして国を揺るがした「狂牛病ろうそく事態」を再現させたいようだ。

海洋警察をはじめとして政府に身を置く人々が自分の責務を果たさずにセウォル号惨事を招いたことは事実だ。しかし、検察捜査が進行中であり、適法処理が予告されている。このような状況で健全な批判を越えて反政府闘争を扇動し、大統領退陣まで主張することは穏当ではない。これは、本当に犠牲者と遺族のことを思い、安全な共同体を作ろうという純粋な行動とは程遠い。